第10話 自身の誓いを貫き通すためには実践が必要
ここから文章量を増やしていこうと思います1話2000〜2500語ぐらいのイメージ予定
つまり今までの1.5倍の文章量
『今日は魔物の討伐に行こうか』
兄さんとの模擬戦まで1ヶ月に迫ってきた時にクロが突然魔物の討伐に行こうと提案してきた
「突然だな」
『これはルーカスとの模擬戦において大事なことだぞ』
「…どういうことだ?」
『ルーカスの強さの根本にあるのは危機感知能力だと思うんだ』
『1ヶ月間修行したことでルーカスの模擬戦での動きを脳にインプットし対策までしたルークの動きの変化への対応の速さ、見る限りではあれは天性の感覚に他ならない』
「ならなおさら兄さんもどきとの戦闘数を増やした方がいいんじゃないか?」
『あのルーカスはあくまで俺の作り出したイメージであり本物でない』
『お前が戦ったルーカスもどきよりも勘などにさえ行動の一歩目が早い可能性がある。それならば魔物のように自身の勘を信じて生きている連中他の戦闘訓練は役立つのではないかと考えている』
「確かに兄さんはかなり自身の感性に任せた戦い方をしているけど…」
『だからどうだ?』
「お前が行きたい本当の理由を話してくれたら行ってもいいぞ?」
『……死んでから50年ぐらい経って魔物の生態がどう変化したのか気になるんだ』
「なるほどな〜なら行くか」
『本当か?』
「兄さんや母さんに許可を取らないとな』
♢
「兄さん」
「ルークどうかしたか?また模擬戦でもするか?」
「2ヶ月後に再挑戦したいと伝えていますが?」
『相変わらず俺とシィーラ嬢の前以外だと別人感が漂うな』
(…少し黙ってろ)
「なら俺に別の用事でもあるのか?」
「魔物討伐に行く権利をくださいませんか?」
「……場所によるとしか今は言えないな」
「できるだけ早く行きたいのですが…」
「そうは言われてもな……そうだ討伐依頼を出そうと思っていたeランク依頼があったなゴブリン討伐なんだが?」
「ならば自分がそのゴブリンを討伐してきましょう」
「実力的にはお前のランク適正はcだからな初の実戦なんだし気張って行ってこい」
「はい、ありがとうございます」
そうして俺は午後から魔物の討伐に行くための準備を始めた
「救急セットと水と携帯食料で十分か?」
『双眼鏡を持ってくれ、観察できる範囲を広げたい』
「はいよー」
準備を終わらせ部屋を出ようとした時
「ちょっと待った」
シィーラが部屋に入ってきた
「どうかしたのか?」
「どうもこうもないよなんで僕を誘わないんだい?」
「一人で行きたいし」
「僕が一緒に行ったら迷惑かい?」
この顔の良さでこんなこと言ったら大半の奴らは喜んで意見を変えるだろう
相手が俺じゃなければな
「うん迷惑」
『容赦ないなー」
クロうるさいぞ
グッドサインを出しシィーラに面と向かって伝えたのだがシィーラは体を震えさせて何かを言いたそうにしていた
「言いたいことがあるなら言えよ〜」
「…なんで」
「なんで断るんだい?」
「正直にいうなら一人で落ち着いて修行したいからだし建前を言うならお前に怪我をしてほしくないから」
「理由は建前だけ言えばいいじゃないか」
「そんなにほっぺ膨らませても連れて行かないからな」
「ケチ」
「ケチで結構」
少し泣きそうなシィーラの頭を撫でて部屋を後にする
相手をしすぎても同行を強制してくるし、しなさすぎても泣かれる
故にこれぐらい雑な対応が理想なのだと最近理解した
「遠くからなら見ていいかい?」
「ご自由にどうぞ」
その後俺は用意された馬車に乗って討伐予定地に行く
すごい速さで飛んでる人が見えたがおそらく気のせいだろう
♢
討伐地である魔物の森に着いて最初に始めたのはターゲットの補足と観察である
ゴブリンは野生的な動きの多い魔物ではあるが基本的には魔人以外では知性を持っている数少ない魔物である
だからこそ慎重に油断せずに討伐する方法を考えなければならない
そんな中
俺の視界には100を超えるゴブリンの群れが映った
少し下品な話にはなるのだがゴブリンは行為の時に相手のことを気にすることができない
故にゴブリン二匹ではどんなに頑張ったところ大した数を増やすことができない
そこでゴブリンたちは考えたのである。
多種族との子を成せばいいのではないか?と
そのためゴブリンの群れは全体で100体以上いればランクがcに上がる任務ではあるが
『せっかくの実践経験を積めるチャンスだ
無駄にしていい理由などいくら探そうとも見つかるわけがない』
クロのそのセリフを聞いて俺は直ぐに
敵陣のど真ん中にたった
{アギャ?}
さて修行の復習と行こうか
♢
「もっと近くで見たいのにな」
当然シィーラが見たいのはルークの活躍である
5年以上片思いを続けるルークの活躍ゴブリンの群れに降り立つシーンなんて録画魔法で保存までしてある
後でルークにも渡そうシィーラはそう思った
ルークはしばらくの間このシーンを思い出すたびに恥ずかしさから頭を抱えるようになるのだがあまりのかっこよさに捨てられなかったのはもう少し後の話
♢
ゴブリンを50体ほど討伐したことでわかったことがある
人間と同じような体の構造の生物には予備動作が存在する
賢い個体によっては予備動作を見つけることは難しい、しかし必ずしも筋肉の動きなどは起こるものなのである
『ここからは魔法の実践だな』
クロの一言を皮切りに魔力操作を用いて魔力を全身に纏わせる。その後魔力に属性付与をする
安全性への配慮により槍一本のみを生成する
修行の一環で死んでいては意味がない。それを理解した上での行動である
'炎帝の槍'
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