第8話 監視までするストーカーに隠し事をすんのは難しい
「君は今僕に看病をしてもらったわけだよね?」
「そうだな」
「報酬の一つや二つくれてもいいんだよ?」
ルークは過去にも報酬を与えている
家の設備を魔法で整えてもらった時や敵国の監視のために協力をしてもらった時など様々である
因みに監視を許可しているのはその時の報酬だったりしている
「……何が欲しい?」
「今ルークが着てる服がホシ「常識的なものにしてくれ」なら僕とドウキ「常識的なものにしろって言ってるよな?」なら君が国を出ていく時に一緒についていく権利」
(こいつはまたコメントしずらいことを〜)
「お前の親御さんや魔国としては俺が国から出ない前提でお前を武国にいさせるのが狙いなんじゃないのか?」
「そうだと思うよ」
「なら「でも」
「僕は国に興味なんてないんだ、あの日僕を助けてくれた君と一緒にいられるなら他に何もいらない」
『この男めちゃくちゃ重いな』
(こいつ女だぞ)
『女性とは信じ難いほどのかっこよさだな』
(同意)
「俺としてはノビノビと一人旅を満喫したい気分なんだけど?」
「ならこれまで通り少し離れたところから監視魔法で見張っていようかな?」
「……付いてくるのは勝手だ、だからこそ正式にお礼がしたい」
「うーんそうだな〜僕としては付いていける権利を得ただけで満足なんだけど……」
「そうだ」
「最近君は誰と喋っているんだい?」
クロが近くにいる。このことを言ったらシィーラは何も言わずに様子を見てくれるだろうか?
下手したら俺の心配をして無断で聖魔法を唱える可能性すらある
クロから修行をつけてもらう時点で俺は覚悟が決まってるもしクロがアークデーモンだったとしてもその時はその時だと割り切っている
それをシィーラに話していいものか?
「神様からの啓示があんだよ」
「それ悪魔とかじゃないのかい?」
半分正解
『ゴーストだからこそ否定できないな』
「悪魔だとして俺を強くしてなんのメリットがあるんだよ?」
「それもそうだね」
「まぁ私はルークのこと100%信じきってるし、なんでもいいんだけどね」
「困ったことがあったら呼んでよ、ピンチだったら自分から行くけどね」
監視をしている以外完璧なんだよなぁこいつ
♢
クロの精神世界で寝る前2時間、擬似兄さんと戦い、起きてから2時間で精神世界で培った体の感覚を実践用に持って行く、学園で8時間過ごした後2時間フィジカルトレーニングをして1時間魔力制御をする
そんな生活を始めてから3週間が過ぎたわけだが、今日から本格的な魔法の修行を始めてもらうとクロが言っていた
いつも通りの真っ白な天井目の前にはクロ一人しかいない
「今日からは俺の魔法をお前に伝授していく」
「質問がある」
「どうかしたか?」
「これから覚える魔法のランクは?」
「最上級難度魔法」
「俺中級魔法しか使えないんだけど?」
「今のお前の魔力制御なら何も問題ないぞ」
「本気?」
上級飛ばして最上級なんて覚えられるのかよ?
「至って本気だ」
「ってわけで早速修行初めて行くぞ」
「お前に覚えてもらう魔法は'炎帝の鎧'だ」
「聞いたことない魔法だな」
「俺のオリジナル魔法で魔国の王朝が保持している特殊保管魔法だな」
「それが俺が自然にここを出ていくための作戦ってわけだ」
「魔国王朝が厳重に保管している魔法を使う武国の公爵家二つの国の衝突を防ぐためにお前は罰を受ける可能性が高いだろうな」
「それに乗じて逃げちまえば犯罪者にはなるが生きていけるってことか」
実際、武国や魔国では指名手配されるかもしれないが他の国なんかでは顔さえ隠せば普通に生きていくことができるだろう
「にしてもその炎の鎧魔力濃度が死ぬほど濃いな」
炎帝の鎧を初めて見た俺の感想はそれだった。
「魔力を体全体に纏わせた上で全ての体の部位から炎魔法を発生させ続ける」
「炎が炎の連鎖爆発を生むことで防御はもちろん殴打によるダメージなんかも出やすいようにできてるぞ」
「完成系はここだがしばらくは槍や剣といった武器の作成からできるようになってもらうからな」
「循環させている魔力を使って槍を生成そしてそこに属性付与」
「……少しでもバランスが崩れたらまずいよな〜」
「余裕で死ねるな」
死にたくなかったのでめちゃくちゃ真剣にやったにも関わらず3回ぐらい死にそうになりながらも属性付与までできるようになった鎧は難易度が違いすぎた
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