第5話 勝つための努力と決意

「1ヶ月何をしてたのかは知らねぇけどいつも通りに俺はお前に勝つぞ」

「行くぞ兄さん」

「怪我には気をつけてねー」



ミアの合図と同時に俺は兄さんとの距離を詰めるイメージ通りなら兄さんの行動択はこの時点で二つ


回避か受け身


ただ兄さんは安定を取りにくるタイプだ1ヶ月ぶりの模擬戦なら回避から入ってくるはず


だからこそ右から回り込み左への回避の選択をなくす


イメージ

相手の行動の予測、完全な予測は未来予知となんら変わらないがあくまで予測である。だからこそ、その事実だけは忘れてはいけない


兄さんの最初の行動は受け身だったその時点で俺は行動択を変える


ただ一瞬の判断の遅れが兄さんの一撃を許す


その一撃で勝負が決まった

いや決められた


兄さんの一撃が顎に入った俺は動くことができなかった。


「工夫は見えるそれでも俺に勝つにはまだ足りないものが多いよ」

ルーカスの一言はルークの心を折るには十分だった。これは1ヶ月前のルークなら努力を嫌っていたルークからは予想できなかっただろう。1ヶ月間クロのアドバイスを聞き直向きに努力をしてきたその成果がルーカスの一撃によって砕かれる


「そこまで今回もルーカスの勝ち」


ミアの一言でルーカスは体制を崩し体の力を抜く、いや勝利がどちらか確定するまで戦闘体制を崩すことができなかったの方が正しいだろう


(ルークにこんなイメージを見せられたのは初めてだ。ミアや父さんと戦う時と同じ一瞬の油断が勝負を決めてしまうような感覚。今までのルークなら考えることもできなかったな)


だからこそルーカスはルークにいつにも増して厳しい言葉をかける

ルークが自身に追いつけることを期待して


ミアは何も言わずにルーカスの後ろをついていく少し離れたところからでも感じたルークの確かな成長。油断、できないという感覚がミアが何も声をかけずにこの場を去ろうとする理由だろうミアも期待しているのだ。ルークの成長に


(ルークだって成長してるいつまでもあたしの知ってるルークじゃない)


二人はこの日ルークの確かな成長を実感していた


一方ルークは


「兄さんは回避を選んでくると思ってたよ」

それを軸に考えていたからこそルーカスの一撃に反応が遅れた


『俺も予想外だったよお前のイメージはやけに具体性を帯びていただからこそ初動は確実にお前が有利に進めると思っていたからな』


(おそらく本能で動くタイプの男それゆえにルークの成長や筋肉トレーニングによって向上した動きのキレを瞬時に理解し、その場での最適解を見つけたな)

クロはそう推測した。


「クロォ」

「俺悔しいよ今人生で一番」


(結果や内容ほどこいつの成長が感じられなかったわけではないが、なるほどこいつの兄、弟との模擬戦で一度も本気を出していなかったか)


『悔しいのは分かる』

『ただこれを繰り返していくことでしか人は強くなれない自分よりも強い相手に勝つのなら必要なのは経験と気持ちの強さだ』


「気持ちが足りないっていうのか?」


『そうは言ってない。俺が言っているのは殴られる瞬間のことだ、ここだけは堪える、絶対にカウンターをぶつけるその覚悟があればどんな状況だろうが人はそのアクションを耐えることができる』

その準備が足りなかったなとクロは言った


本当にそれだけか?俺は心のどこかで妥協してたんじゃないのか?そうして考えれば考えるほど自分の目標が変わっていることに気づく


倒すことから認めてもらうことへと


「クロ」

『どうした?』

「俺まだ妥協してたと思うよ」

「本気の兄さん一度だけ戦場で見たことがあるでも模擬戦であの動きをするイメージできなかったのが俺の敗北の理由だと思う」

「本当に兄さんに勝ちたいなら俺はそこすら想定して修行するべきだった。本気の兄さんに勝ち行くべきだったんだ」


本当に1ヶ月でルークは変わったこの思考は元のルークならありえなかった故に再び誓いを立てる


「2ヶ月後兄さんを超える、そして国を出て一人旅とするよ」


『……この平和な世の中なら旅になんて行かなくてもいいんじゃないか?』


「俺は自分の足で動いて自分の目で世界を見てみたいんだ。兄さんに勝って兄さんよりも強い奴らに勝って世界を見てみたいんだ」

『……お前は本当に兄を超えて旅に出たいのか?』

「俺は本気だよ、って言ってもあんた基準で言えば努力もしてない俺が何を言ってるんだって感じだけどな」



『自身の目標を達成せずに終わる努力など真の努力でない』

クロのこの言葉

今ではルークを支える一つの言葉でもある


そんなルークを見てクロは確信する。今のルークなら自分の全てを教えることができるかもしれないと。


『ルークお前に魔法の稽古をつけてやる』


「突然なんで?」


『おれの全てをお前に教えたいと思ったんだ』


真剣に勝とうとするお前にならな

そうクロが言った




 














そんな二人のやりとりを少し離れたところから見ている怪しい人影があった

「一体ルークくん君は

誰と喋っているんだい?」




















イケメン女子➕微ヤンデレ要素が

やっと出て来れる


面白かったと思ってくれた方

高評価やコメントの方よろしくお願いします

















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る