第3話 天才に勝つなら工夫し続けるしかないとは知ってても人は基本的に止まると思う
努力
根性
やる気
全部捨てた言葉だった
だって冷静になればわかる
兄さんは剣を握って半年で10年も国の軍で働く男に勝った
対する俺は?
3年もかかった初挑戦から俺は3年かけて初勝利を掴んだ
兄さんの夢だった天下統一
俺は誰よりも努力をしてそれを成し遂げた
俺が殺したも同然の兄さんの夢を俺が叶えた
俺が兄さんになれるよう努めた
それでもなお俺の罪悪感は消えない
今目の前のお前の気持ちはわかる
勝てない
努力の意味がわからない
自分では越えられない
だからこそ俺はこの男にこの問いをするしかねぇんだ。
『自分の選んだ道で努力を止める意味が俺にはわからない』
『自分で決めた道なんだ、最後まで進み続ければいいじゃないか』
「お前みたいな天才にわかるかよ……」
凡人の気持ちなんかよ
『何を根拠にお前は天才と凡人を分ける?』
根拠?本当にそんなものが必要なのかよ
『………例えばだが初めて剣を握った男が半年で10年戦場で勝ち続けた男に勝ったそれに対して剣を握って3年で同じような状況の男に勝つ
この二人ではどちらの方が天才であると考える?』
「……そりゃ半年の方じゃないのか?」
『文章の断片的な情報だけを読み取ればな』
「どういう意味だよ?」
『ここに追加の情報が入る半年で倒した少年の方は戦場で隠れ10年を過ごした男だ対して3年で倒した少年の方はその国の軍の幹部クラスであった。この情報を精査した上でどちらが上だ?』
「……3年の方だと思う」
『まだ断言はできないんだよ。なぜなら相手の状態、体勢、メンタルその全てを精査したうえで次のアクションを決めるそれだけが勝つための努力なんだんだよ』
『訓練を積めば手に入れられる力を持たずして言い訳なんて、それは諦めたやつの言葉だ』
「…その力が身につかないんだよ何をしても、どう頑張っても身につかないんだよ…」
だから諦めた見たくなかった。
「兄さんにだって負けたくなかったミアにだって他の奴らにだってでもダメなんだどれだけ努力してもイメージできない…あいつらに勝っている俺が」
『本当にそれはお前の人生を賭けた努力だったのか?自分の全てを捧げるような努力だったと言えるのか?』
『俺はしたことがあるぞ自分のすべてを捨てて
天才に挑んだことがな』
「天下統一を成し遂げた
男にそんな経験があるのか?」
『……目標にした男がいた生涯追いつくことはできなかったがあの男に追いつくまではと俺は自分にできる最大限の努力をし続けた』
「……あのクロが生涯勝てなかったか」
『お前が想像してるよりも英雄クロは強くないってことだ』
クロとの会話を通して俺は自分を信じたくなった。自分よりもはるか先にいる男が身近にいるように感じた
「………お願いがあるんだ」
『なんだ?』
今の俺が頼むのなんて烏滸がましいかもしれない
「俺は兄さんに勝ちたいたとえお前がアークデーモンだったとしても俺が凡人の俺が天才たちと張り合えるような力が、強さが欲しい」
「最初はそう思ってたんだ」
クロは何も言わない
「でも俺は努力で勝ちたい天才たちに努力で立ち向かいたい俺自身の力のみで相手を超えたい
そのためにお前の技術を戦うための術を俺に教えてくれ」
『お前の推測なら俺はアークデーモンである可能性もあるはずだそんな俺に指導を要求してもいいのか?』
「安心しろよそれで洗脳されようもんなら俺の責任だって諦める他ねぇよそのリスクを考えたとしても俺はお前を信じる。お前の言葉を信じる」
「それに俺だって信じられる奴と信じられないやつの区別ぐらいつくさ」
『……いいだろうならば俺はお前におれの持っている技術を心を教えてやろう』
そんなこんなで俺とクロは出会った俺は兄さんをミアを他の奴らを全てぶっ倒して頂点に立つ
それが今の俺の最終目標になった。
その後仕事の後始末をして家に帰ろうとした時
「問題なく出れそうか?」
『お前に取り憑いていれば出れそうだ』
ゴーストは基本的に自分の生まれ育った場所から出ることができないクロもその現象に襲われていたようだが俺に取り憑いてならば外出できることがわかった
そうして家に戻りまだ仕事に時間がかかると言っていた家族の帰りを待たずに一人で夕食を食べ俺は自室に戻る
『今日から修行を始めていくぞ』
「……家の中でか?」
『問題ない最初にやるのは………』
『イメージと現実のギャップをなくす作業から初めて行こうか』
ここから修行パートに入っていきます
こういうのを考えるのは楽しいけど難しい
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