第12話 最後の別れ
みずきの元から最初に消えたのは
つばさだった。
過去を思い出して、みずきは混乱したけど、
病院の担当医や心理士のおかげもあって
少しずつ落ち着いていった。
その次はありさ。
ブラックホールの闇は吹き出したから
買い物しなくて良くなったって言い残して。
みさとさんもそれに続いた。
病院内のサークル活動でボランティアに来てくれてる男性とみずきの距離が少しずつ縮まってきたから。
これからは、あの人が甘えさせてくれるわ。
安心して消えていった。
なおみは、みんなが去るのを見届けた。
みずきの退院が決まり、グループホームで
暮らしながら、リハビリに通うと決まった
時、なおみは別れを決めた。
みずき、辛かったね。
これからは、本当のみずきを生きてね。
きっと、私達の事なんか忘れちゃうんだろうね。
それでいいんだよね。
私、楽しかったよ。ありがとう。
じゃあ、いくね。
最後のなおみも去って行った。
今、みずきは自分の過去のトラウマと一緒に
生きようとしてる。
困難はあるけれど、人生はこれから。
みずきは恋をして、短い時間だけど働き始めた。
みずきは時々、誰かが自分の中にいたような気がすることがある。
思い出せないのだけど、それは、パッピーだったような気がしてる。
似たものどうし 菜の花のおしたし @kumi4920
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