第5話 みさとさん
みさとさんは、世話焼きを趣味にしてるのかと思ってるくらいにシェアハウスの雑用をやってくれた。
まるで、お母さんそのもの。
ありさは、みさとさんの作るご飯が
美味しいって、痩せぎすだったのがふっくらしてきたくらい。
猫のロクノスケも甘えてる。
みさとさんの後ばかりついて歩いてる。
穏やかな人なんだって思ってた。
みさとさんにも過去の辛いことがあったんだってわかったのは、みんなでお酒を飲んでた時だったの。
ありさの事でちょっと言い争いみたいになった。
ありさは酔ってるのもあって大声を出して
テーブルの物を投げた。
その時だった。
みさとさんが真っ青な顔で震えていたのを見たのは。
みさとさんは、気分が悪くなり、なおみが部屋まで連れて行った。
あとから、なおみが話してくれたわ。
みさとさんのご主人はお酒を飲むと人が変わってしまう人だったって。
みさとさんはDVの被害者だった。
みさとさんのご主人は慰謝料なんか払う人じゃなかった。
みさとさんのご両親が亡くなって、お金を残してくれたの。
それで、逃げる決心をしたんだって。
だけど、一人暮らしはご主人がやって来るんじゃないかって、、。
働いてみたいけど、まだ知らない人と会うのが
怖いんだそう。
なおみは、ここの住人は平気なんだって!
嬉しいよね〜とまたしても鼻息をフガフガさせて言った。
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