第14話 テンプレ勇者、目星を付ける!
あれから時は経ち__
「よぉ銀騎士!今日は誰についていくんだ?良ければ俺のパーティーにくるか?」
「いや!銀騎士は今日は俺の所だ!」
「アンタら何言ってるんだい、最初に目をつけたのは私たちパーティーなんだからね」
俺はこの街で有名人になっていた。
装備を新調しないで鉄の装備のまま出ていき汚さないで帰ってくるのでついたあだ名は“銀騎士”…………まぁついてしまったもんは仕方ない。
こう言うのは自分で決めるものじゃ無いしな。
「ごめんなさい、今日はギルド長に用があって来たんだ」
そう応えると周りの知り合い達はシーンとなり俺を最初にジャログドラゴン討伐に連れてってくれた女冒険者が口を開く。
「と言うことは………あれかい?」
「そう、あれだ」
今度は一斉に祝福の声がみんなから上がった!
「うおおおおおお!こんなに早くダイヤモンド冒険者に!?」
「ギルドで最速じゃないか!?」
「私が見込んだだけの事はあったよ!私は人を見るのが得意なんだ!」
「昇進祝いだ!今日は依頼なしにして飲み明かすぞー!」
「は、ははは、ありがとう!みんな!」
そう。
俺はダイヤモンド冒険者まで登り詰めた。
まぁ、異世界のテンプレとしては遅いか?運が悪かったんだろうな。
途中からはギルド長から「上げたいのだけど流石に早すぎるから周りから反感を__」なんて言ってたから逆に周りの依頼を手伝い強さを見せつけ信頼を得た。
そして今日に至る。
「ギルドカード、更新してくれ」
「はい!ギルド長を呼んできます!……それとリュウトさん」
「?」
「もし良ければお祝いにこの後二人きりで__」
「断る」
「きゃふん!」
「出た!リュウトの女100人斬り!」
「今度はギルドの娘か〜逆玉なのにな〜」
「ま、仕方ないか、だって銀騎士様は仕える主がいるって噂だからな」
そう、異世界に来たらハーレムにするのが当たり前なのかこう言う色恋沙汰は多い。
時にはラッキースケベという物も体験したが………………
どれもアオイさんを見た時よりも遠く及ばない!
なんだろ?いくら女の裸を見ようが触ろうがアオイさんを見た時ほど興奮しなかった。
「やぁリュウト君」
「ギルド長、お久しぶりですね」
「いや、2週間前にあったばかりだね……と言うか、やってくれたね」
「?」
「周りの信頼、依頼の早期解決、書類の整理、トイレの掃除……全て見事にやってくれたね……終いには僕の嫁さんを__」
「上げない理由はもう無いですよね?」
「はぁ……」
ため息をついたがギルド長はニッコリと笑顔になる。
「もちろんさ!いや〜君のおかげで仕事も楽になったし依頼主達も大満足!城からの評価も上がって僕のお給料もあがるし万々歳!俺の嫁さんもリュウト君のおかげで元気になったし!」
「フフッ、それは良かったです」
「ギルドカード、更新承認!」
ギルド長が俺のギルドカードに魔力を流し表記がダイヤモンド冒険者になる。
「はいどうぞ!」
「ありがとうございます」
さて__
「銀騎士ぃ〜やったな!今日は祝いだ!俺が奢ってやるから飲もうぜ!」
「……」
「銀騎士?」
「あ!いや!ちょっとダイヤモンドになったら行こうと思ってた場所があったんだ!だから今日はごめんな!」
「お、おう」
「じゃ!」
俺はそう言ってギルドを出ていった。
「おいどうしたんだよ?黙ってて」
「いや……さっきの銀騎士の顔……」
「ん?」
「なんか感情が無……気のせいかもな!それより今度銀騎士の祝いパーティーみんなでしようぜ!」
「おうよ!人集めてくらぁ!」
__________
______
____
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます