第12話 勇者!パーティーに参加させてもらうパターン!


「さて、と」


昨日の夜はアオイさんのことを考えすぎて寝れなくて少し遅く起きてしまったが、ギルドは相変わらず忙しそうだ。


漁業とは違って魔物には朝早くから行くといい!みたいな事はないのだろうな。


「……」


俺が入ると周りの冒険者もチラチラと俺を見てきている。


期待の新人ルーキーという異世界ならではの看板を掲げることには成功してるみたいだ。


「と、言うわけで」


俺は用もないのにギルドにあるカウンターに座る。

ちなみに頼まない限りギルド員は訪ねてこないしファミレスみたいに水もおかない。


「……」


しまった……俺の考えてるテンプレになるのにこの時間はどうしたらいいか含まれていない。


「自分から動くか」


いや、異世界主人公で「すいません、初心者なんですけどアナタのパーティーにいれてもらえますか?」なんて言ってる奴見たことない!


こう言うのは向こうから__


「ちょっとアンタ」


キタ!!!


「はい!」


勢いよく応えると相手は驚いた……ちょっとはしゃぎすぎたな。


「ごほん……なんでしょうか?」


声をかけてきたのは俺の背よりも少し高い細い筋肉質の女性冒険者。

アニメとは違い、華奢な女の子ではない……

それが当たり前なのだが……少し、テンプレと違う気がするな。


「アンタが噂のグロッグドラゴンを1日で倒して帰ってきた新人だろ?それに、ここでの挨拶を軽くいなしたって聞いてる」


挨拶?あぁ、あの時のよくある新人いびりか……異世界のテンプレだからな。


「そこでだ、私たちは今からジャログドラゴンを倒す依頼を行くんだが、アンタついてくるかい?」


これだ!

噂を聞いてパーティー勧誘のテンプレパターン!


「僕でよければ」


「決まりだね、じゃぁ今から支度すると明日になるだろうから__」


「__今からでもいい」


「は?アンタばか?見たところ何も準備してないじゃないか」








「1日で終わらせる」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る