第11話 恋を叶えるためのラブロード!
「さて、と、整理するか」
依頼を終え、ゴールド冒険者に危険な場所へ行かせた事をギルドからめちゃくちゃ謝られ。
ゴールド冒険者、しかも冒険者なりたてでグロッグドラゴンを倒したものすごい新参者!
と言う、いかにも異世界でありそうなテンプレ型を完了した後、ベッドとランタンしか置いてない宿屋に戻っていた。
「ある程度、重要なことは聞けた」
未来から来たユキと言う少女。
今はヒロユキさん(義理兄になる予定)に会いに行っているはずだが、それまでに色々と質問させてもらった。
「まず、一つ……この世界に魔王は存在している」
この世界に来た時には魔王は封印され今はいないと教えられたが、実際は居るという事だそうだ。
「俺はパーティーを待つ予定」
未来の俺はパーティーで動いていたらしく、自分で作ったと言っていた。
つまり、どこかのパーティーに入るパターンではないと言うことだ。
それはそれでテンプレはある。
「そして、俺は死ぬ」
聞いた話では油断や隙を晒したのではなく自ら命を差し出したようだ。
アオイさんに対して……
これは俺が知らなかったのが問題だろう。
そして、この知らなかった対象が厄介だ……
「『女神』か……」
物語のお決まりだが、黒幕は必ず居る。
今回の黒幕は『女神』そして、それはアオイさんだ。
「…………」
俺はアオイさんを殺せない。
だってそうだろ?死んでもいい人生を死んではいけない人生に変えてくれたのはアオイさんなんだから。
………………………………決めた。
「俺のこの世界でやることはアオイさんの中の女神を取り除く」
それが俺の今後の目標だ。
「その為にはまず、ダイヤ冒険者以上を目指そう」
この世界には世界地図がない。
なぜならこの世界を旅をしている途中で死ぬからだ。
なのでギルドが指定している場所以外は開拓地としてダイヤ冒険者以上しか外を出歩けない。
つまり、この世界を自由に探索をするにはそれ相応の肩書が必要という事だ。
仮に勇者である俺がそのまま街を出たら城が血眼になって探して迷惑をかけるだろう……それはそれで面倒なことになりそうだから避けたい。
ちゃんとルールに乗っ取って出るなら話は別だ。
仮にも勇者として召喚されたのだから城側も承知の上だろう。
「…………アオイさん……」
今頃どうしてるだろうか……
会いたい……けど会うのが怖い。
なんだろう?怖い。
嫌われるのが怖いのかわかんないけど、会いたい反面会いたくない……なんだこれ!矛盾してる!変な気持ちになる!
うわぁぁあ!どうしちまったんだ俺!
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