第5話 武器屋!


 「おー」


 壁一面にずらりと並ぶ色んな武器。

 元の世界では見れない光景だな、海外のガンショップはこんな感じなのかな?


 「らっしゃい!」


 奥のカウンターの店員は筋肉質のおっちゃん。

 うん、テンプレ通りだな。


 「武器を見るのは初めてなんだけど、何か自分にあったものを見つける方法はあります?」


 「もちろんだ!そこのドアを開けて試し切りできるぞ!」


 ここはゲームのテンプレなんだな。


 ドアを開けると魔皮紙をぐるぐるまきにされている試し切り人形が3体。


 一つは四足歩行型。

 そして一つは魚型。

 もう一つは__


 「やっぱり居るのか、ドラゴン」


 どれもが自分の背より2倍3倍大きい。

 

 なるほど、この大きさが普通だと考えよう。


 「てなると、使える武器は限られるな」


 「どうだい兄ちゃん、何から試す?」


 「店の方はいいんですか?」


 「あぁ、武器ってのはそんなにしょっちゅう買いにくるもんじゃない、1日通しても客が来ないことなんてザラだよ」


 「なるほど……じゃぁまずは一番大きな剣ありますか?」


 「あいよ__っとその前に予算はどれくらいを考えてる?流石に買えないものを使っても意味ないだろう?」


 「予算なら無限にあるから大丈夫です」


 「ほーう、そりゃ太い客だ!まかせろ!ここの一番いいものを持って来てやるよ!」


 ?


 「あの、自分で言ってて何ですけど冗談と思わないんですか?」


 「冗談なのか?」


 「いや、本当のことですけど」


 「そりゃそうだろうな、にいちゃんのその服、王宮からの特別なやつだろ?」


 そう言って俺の服を指差す。


 今着ている服は支給されたものだ、色は解らないが着心地はかなり良い。

 

 なるほどな、付き人なしにサポート……ギルドカードだけだと思ったけどこの服や服にある紋章で周りが理解してくれるって事か……


 それでギルドに行った時は何も無かったんだな。


 「なら話は早いな」


 「そう言うことだ、確か一番大きな剣だな?待ってろ」


 待つこと5分。


 「ウチにある大きいのはこれだな」


 そう言って持って来たのは折り畳まれた剣。

 2つに折りたたまれてるとは言え俺の背丈ほどある所を見ると解放したらかなりの大きさになるだろう。


 …………


 少し見たら分かった。

 持ち手には魔皮紙が巻かれているところを見ると魔力を流すのか


 「……おぉ」


 「どうだい兄ちゃん、気に入ったか?」


 魔力を通すと剣は一つに組み上がり3メートル程と幅も2メートルある三日月型の巨大な剣になった。


 こんなに大きいのに軽い。

 重さ的に木刀くらいか?

 

 「試し切りをしても?」


 「もちろんだ!」


 「では__」


 俺はまず牛一頭ほどの大きさの4足歩行の試し切り人形を真っ二つにした。

 

 「なるほど」


 「あれ?もういいのかい?」


 「えぇ、今ので理解しました」


 斬った人形は店のおいちゃんが魔力を通すと元の姿に戻る。


 「それで、なにを理解したんだ?」


 「まず、この大きさから出る威力は完璧でした、斬り心地も違和感なく料理で包丁を扱ってるような感覚でした」


 「ほう?」


 「ですが、今後の事を考えるとパーティーで動く時に仲間を傷つけかねないし、それを考えて立ち回ると縦振りしか出来なくなって動きが制限される」


 「ならそれを前提でパーティーメンバーを探せばいいんじゃないか?遠距離とか?」


 「確かにそうですけど今俺は武器が決まってない状態なので俺がみんなに合わせれる武器を決めた方が話が早くなるんじゃないですか?」


 まだ大剣を一回振っただけじゃ試し斬り空間に来た意味がない、ここは他に色々な種類な武器を振ってみたほうがいいだろう。


 「なるほど、違いねぇな……じゃ、納得のいく武器が見つかるまで手伝ってやるよ」


 「ありがとうございます、次は____」



 こうして俺の武器選びは夜まで続いた。




 

 

 

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