第2話 あの子の事しか考えられない!


 意味が分からない!


 いや、この状況なら理解できる!

 

 俺達の居る床には魔法陣。

 周りには時代遅れの騎士達。

 王座には王様。


 異世界転生だ。


 そんな物、死んだ後にある可能性の一つとして処理できる__だけど!


 「な、なんだこの気持ち」


 心臓が高鳴り、その人物から目が離せない。

 彼女の美しすぎる長い金髪に白い肌。

 スタイルの良いくびれ胸、お尻。

 唇まつげ爪指__全てが全て俺の心を抉る!


 呼吸が苦しくなって来た!呼吸を忘れてた!?


 俺が!?ダメだ!思考が定まらない!



 !!!!?!?!?


 目が合った!


 綺麗で透き通った青い目!あぁ……目があっただけなのにこんな幸福感……


 

 答えは出てる原因は解る!これが__一目惚れ!


 こんなに苦しいなんて!


 なぜか彼女は男物のTシャツに下はトランクスの男物のパンツだ……色々見えそうで逆に脳が沸騰しそう……ダメだ!見れない!


 刺激が強すぎる!


 「ふぅ……」


 落ち着け、俺。


 「ゴ、ゴホン」


 咳払いをしながら王様が話し始めた。


 「ようこそ、勇者達よ」


 テンプレートなセリフだな。


 「ここはグリード王国、私はあなた達を召喚した、カバルトでございます」


 異世界転生に関してはタカノリに借りたラノベで読んだことがあるので把握してる。

 

 …………あいつも死んだのなら異世界転生してると良いが……夢だっただろうにな……今の俺に知る術はない。


 「本題に入る前に勇者たちは突然のことに混乱している事でしょう、一度心を落ち着かせる為の部屋を用意しています……そこで一度休憩を取っていてください、後に此方から呼びかけに参ります」


 そう言って案内役の騎士が俺の所へ来て、彼女には毛布が渡されていた__そして



 「きゃぁぁぁぁあああ!?」


 

 そこで自分の格好に気付いたのか彼女の美しい可愛い恥ずかしがってる声が俺の耳を癒した。




 あぁ……これが彼女の声か……記憶に残しておこう。

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