テンプレ勇者の一目惚れラブロード
しぇいく
第1話 恋に落ちたその日。
____っ!?!?!?
俺はその日。
「綺麗だ……」
一緒に召喚された女性に恋をした。
______________
__________
______
「……」
いつも通りの学校。
学校なんて来なくても将来なんてどうでもいい。
お金なんて稼ごうと思えばいくらでも手段があるし、教科書も全て暗記してる。
「……」
それでも来るのは唯一、一人の友達がいるからだ。
そして、いつもと同じ、高校の帰り道……
「お前、また春香達からいじめられたのか?」
「えへへ……」
俺が話しかけるのは体重86キロ低身長、スポーツも勉強も出来ない友達。
タカノリだ。
「俺が言ってやろうか?」
「いや、いいよ……」
タカノリはよく女のグループにいじめられる……いや、むしろ結構な人から疎まれていじめられているのでちょこちょこそいつらを注意している。
…………実際、不良グループがお礼参りに来るとか言う話はアニメや漫画でしかない。
注意したら嫌味を言われて終わりだ。
その後の学校生活で目立とうが目立たまいが俺には関係ない。
「そうか……よし、ならアレだ、マック奢ってやるよ」
「い、いや、今日はちょっと用事が……」
タカノリを友達に選んだ理由は1つ。
「用事?」
「うん、ちょっと街のアニメイトまで行かないと!」
コイツには“色”があるからだ。
いつからだろうか……俺には世の中が白黒に見える。
色の感覚は覚えてるので生きるので困らない。
例えば信号、これは色を見なくても周りを見れば解るし光は見えているのでどちらが光っているか見える。
もっとも、色の点滅が反対の信号があれば話は別だが旅行などに興味もないしな。
そんな中、コイツの肌や目、着ている服は色がつくのだ。
それが気になり、友達になっている。
「じゃぁ俺もついていくよ」
「え?」
「お前に貸してもらったラノベとかほとんど読んだから知識もあるしな、そう言う所に行った事もないし良い機会だ」
「そ、そう?」
____コイツには何かある。
「じ、じゃぁ一緒に行く?」
「おう!」
________________
__________
______
電車に乗り、二駅先のアニメイトへ来ていた。
「さて……と」
「?、どうしたの?リュウト?」
「いや、何でもない、トイレに行ってくるよ」
「うん!わかった!」
ラノベ。
漫画。
タカノリに勧められて見始めたが、中々面白い。
漫画やラノベなら白黒でもいいから助かっている…………こう言うのは俗に言う“オタク”という人達が好んで読むものだよな。
もちろん、普通の人も読んでいるだろうが、こういうオタクと言う属性を嫌って蔑む逆の存在も居る。
「……お前みたいな奴だ」
「!?」
「ずっと付いてきていたな?」
俺はトイレに行きたいわけじゃない。
高校を出てからずっとコイツ____“ハルカ”がついて来ていたのを知っていて話に来たのだ。
彼女は俺達の学校の不良グループの一員だ、そしてコイツは毎日毎日タカノリの事を嫌って嫌がらせをしている張本人でもある。
「べ、別にたまたま__」
「ここはアニメイトだ、お前の様な奴が来るはずがない」
「な、なんでそんな断言するのよ!」
「ならアイツにいつも言っている言葉はなんだ?」
ここで来るはずがないと断言したのはタカノリを蔑む時に言っていた「アンタみたいなオタクで気持ち悪い奴は見るだけで鳥肌がたつのよ!キモい!とっとと視界から消えてよ」という言葉を覚えているからだ。
「っ!……あ、あれは……」
「それで、なぜ俺達についてきた?」
「…………」
答えたくないのかそれとも答えられないのか……それと、そんな話をしていたらタカノリも来てしまったみたいだ。
後ろに気配がする……出て来ないのはハルカが居るからか。
「タカノリをまたいじめにきたのか?」
「ち、ちがう!誰があんな奴なんかの為に時間を!」
これは本当っぽいな。
白黒の世界でも相手が嘘ついてるかどうかは解る。
だけど__
「俺の友達を悪くいうのはこっちの気分も悪くなる」
「っ……ご、ごめんなさ__」
________そこまで聞き取れた。
轟音が店内に響き渡った後、巨大なトラックが目の前から襲って来た。
「__っ!」
周りがスロー再生の様になる。
今動けば助かるだろう。
…………だが、アイツは無理だ。
この状況、俺は助かるがタカノリは助からない……不思議なものだな、この世に未練なんてない俺が助かってコイツが助からないなんて。
………………………いや、生きる目的もないな……いい機会だ。
________死ぬか。
「っ____」
ハルカを轢き殺しながらブレーキの効かなくなったトラックを俺は正面から受けた。
意識がなくなって行く____
あぁ……
来世は____
________________
__________
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