第十一夜、イドの怪物

吸い込むばかりに

中身は問わずたくさん

あればあるほど、およこしと


一度貸した手は

しゃぶり尽くすまで

飢えるまで

離すまじと言うことか


足るを知らぬ哀れな哀れな

成れの果ての。

悲しき悲鳴は誰も、

目をくれない。


そっと懐に隠しては、裏を歩いて。

我が身を支えて。


そして現実にまた怪物と化した

生き物は。


業火に焼かれ

悶えて、また、彷徨う。

食い散らかして追い立てられて、

得た食い物腹に収まるや否、また

悶える。


悲鳴は止まらない。

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