ヤマのイザナイ
『これは昔の知り合いについての話なんだけど――』
昔、Aと言う女性の知り合いが居た。その子は控えめな子だったが、ある時駄目な男に捕まって道を外し最後には酷い死に方をしていた。
Aは高校も大学も良い所に行って評判も成績も良かったが、大学で屑な男に捕まり利用されて堕ちていったんだ。
Aは卒業自体はかろうじてしたが、家族との連絡は途切れ後ろ暗い人間の相手をさせられ、頭も体も使うだけ使われた。
そして用済みになってヤマで殺されて埋められていたのを後に発見された。
何故ヤマで殺されて居たのかと言うと、どうもAはヤマに呼ばれたらしい。
既に諦めて使われる道具だったAはヤマに呼ばれて正気に戻ったのかはわからないが逃亡してヤマに行った所で男に捕まり始末され埋められて隠蔽されたそうだ。
その後、Aはヤマの気に
Aは類稀な憑坐を見つけそれに取り憑いた。その子は男達に捕まり見た目には分かりにくくも体の内部をずたずたにされたがかろうじて生き残り、精神の崩壊もAが支え生きていた。
憑坐の怨嗟も引き受けてAは怨霊と謳われる手前程に恐ろしいモノとなった。
壊れた憑坐を治すために憑坐の故郷の霊峰に憑坐ごとAは連れて行かれる。そしてAは霊峰に惹かれそのヤマのモノに憑坐の調整とAを契約で縛り付けた。
Aは精神を支えていた憑坐を手足として動かし始末されて埋められた体を掘り起こし捨てられたヤマでの柵からも解放される。
捨てられたヤマから解放されても怨嗟は変わらず悪霊のまま、Aは憑坐の中に縛られ共に在り続け憑坐もAの影響で外への渇望し色々な世界を見にやんごとなき憑坐はより外へと清濁併せ呑み出て行った。
『帰ってくる場所は霊峰で憑坐の命が尽きたとき、Aはヤマのモノとなるでしょう』
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