お社にいた子

『私の育った地域においての話なんですが――』


 私が生まれ育った地域には大きいお社があり、『街のお社』と呼ばれていました。

 私が人生の節目毎に両親に連れられて行ったそのお社にはいつも境内で女の子が遊んでいました。

 その時は私が着替えた後も両親が宮司さんと話してて小さな私が暇してると御神木の下だったり御手水の側だったりと女の子が私に手招きして相手をしてくれれました。

 宮司さんは話しつつちらりと私とその子の方を見た後何も無かったかのように話続けてましたが両親はこちらを一切向かなかったです。

 その時何も話題にも上がらず何事もなく日常は続いたので私もその事も次第に忘れていきました。

 その子は居る時もあれば居ない時もあり私が大きくなった時に不意にお社に行った時巫女さんに聞いたのですがその子のことを大人になっても見えてる人は少ないそうです。

 そして巫女さんにその子についてお話を訊いたら幸せのお社の子と言ってました。

 そして巫女さんがその子を呼ぶと御神木の影からやって来て遊んでくれました。

 先程そこを見た時は誰もいなかった筈だけど私は気にせず遊びました。


『大人になって巫女さんとのお話について禰宜さんに訊いたら言いにくそうな顔をして、その巫女の方もその女の子も此処のお社のモノであるけれど人ではないと小さな声で仰っていました、どう言う事なんですかね?』

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