道具の運用
『これは昔の私の経験談なのですが――』
「――、貴女は財閥の人間としても人の使い方を学ぶ必要がある」
私はそう言われた後に付き人が出来ました。
「この
それから付き人になったUが屋敷にやって来て同じ屋根の下で暮らすことになりました。
Uは天才でした、見たものは何だって忘れず覚えて聞いたものも聞き取れたものはしっかりと覚えてました。
そして単純な作業も延々と続けても、認識に異常を起こさないと言う特技を持っていました。
欠点として脳の処理が重いのか睡眠障害を持っており寝起きが頗る悪く3日に一回程昼寝が必要になります、夜寝てもイマイチ寝られておらず、睡眠導入薬を飲んでも昼寝がやはり必要になりました。
そして運動が苦手で縄跳びの二重跳びや鉄棒の逆上がりなどが出来ませんでしたが、走るだけだったら遅いもののずっと走っていられるスタミナはあるようでした。
結果、私がUを直接起こしに行き最低限の身支度を整えてご飯を食べたあと、学校に行く前に持ち物の確認をUと二人でして通学する。
そしてUの昼寝が必要な時は常盤の庭に放り込んで放課後起こしに行くというスタイルになりました。
そんなUですが筆記試験の結果は学年一位で実技が微妙な点数という結果になりました。
結果的にケアレスミスで毎回筆記試験が三位とかの私も見ただけで大抵のことはこなせる為実技の評価は高いので学年の首席にはなれましたが、Uの扱い方はわからないままです。
生徒会役員になってからは私が書記でUが会計をやるようになりました、それでUの使い方を知ったような気がしました。
彼女は自分の親程の年齢の大人を信用してないどころか敵だと思っている節があり、自分の在り処を奪われやしないかと警戒している事がありました。
そしてUが怒りで我を忘れてしまうと言葉を失い獣と化してしまいました。
それをどうにか多少の怪我をしながらも落ち着かせて大人しくさせた時、君は理想の主人だ、と人の使い方を学ぶことを勧めた従姉妹に言われました。
『今でも人使いではなくて獣使いの間違いではないかと思うときがありましてよ』
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