『謎の先輩女子』
『これはこの学園が出来た頃から生徒の中で語り継がれてる話なのですが――』
入学したてとかで学園の敷地内で迷子になった時や特に何も考えずにぶらぶら歩いているとその時の最上級生の制服の先輩女子が現れるっていう噂があるんだよねー。
そしてその後お礼を言おうとしたりまた会うためにその先輩のクラスを探そうとするとその先輩が居ないことが分かるっていうオチなんだー。
でね、このお話、昔っからあってー、なんか百年前からあるらしいんだよねー、記録としてもアルバムとか生徒の日記とかにこの謎の先輩の事が書かれてたりするんだってー。
後面白いのが、その時のオカルト同好会が目撃情報を収集してデータ化して何処で遭いやすいか調べたり、先代の理事長が監視カメラとか設置して捕まえようとしたりしたらしいけど普通に逃げられて、鍵の掛かった校長室や理事長室に悪戯されたりしたらしいんだよね。
結局無駄骨でどうにもならず、いたずらが始まったのを見かねたお社の管理人がお祓いをして一先ず鎮静化した事から正体が幽霊としての怪談が広まったんだってさ。
結局お祓いしても暫くしたら先輩女子の目撃情報が出たり監視カメラに映りだして主張し始めたらしいんだけど、特に悪戯はされず黙認と言うか見なかったことにしたらしいんだよね。
そもそも百年前から概念的に居るらしいから人間なら代替わりしてるし他所からやって来ているから門で見張れば阻めるはずだけど普通に現れるし追っても撒かれるしで色々可笑しいらしいんだよねー、もう同一人物だと幽霊の類だしー。
今年も誰かが見掛けたり、門からさよならの声を掛けられたとかで話題になってるらしいよー。
学園の卒業生達が学校に来ると後ろ姿を見ることが稀にあるとかって先生が言ってたけどねー。
『この学園も設立前から色々謎が多いらしいんですよねー』
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