史料室の怪 (『奥ゆかしい史料室』alternative)
「これは昔七不思議を探した話なんだけど――」
私は友人Iに怪談話を知らないか訊いて、もう一人の友人Sが父がこの学校のOBである関係で七不思議を聞いたことがあると言って、次の日に学校の怪談巡りをすることになったの。
S曰く七不思議は流動的なモノであるらしく、その時の名物になった人とかをからかったりしたモノとかも混ざるから、S父の時代のものから世代交代してる怪談もあるらしい。
その手のは性もないと思うけどー。
昔から変わらない怪談は由緒正しい?定番のモノらしい。
ただし、この学校は祠ではない小さな本殿があったり、意味深な資料室もあるのでそこでオリジナリティが生まれてるらしいよ。
取り敢えず分かっているものから三人で巡っていこうと言うことになり私達は出発したんだよね。
まず一番近い史料室からとなったんだけど、図書室じゃないのかと訊いたら図書室の奥の鍵がかかっている部屋の事らしい。
所謂開かずの間ってヤツだね。
図書室に居た先生にSが話しかけてあっさりと鍵を貰って史料室の注意だけ受けてから三人で突撃したんだ。
因みに最後に誰かが入ったのは日干しと掃除の時だけで生徒が調べ物をしたりで入ったのは殆どないらしいよ、掃除もだいぶ前だとか。
私達も不真面目だから何もいえないけどね。
そして鍵を開けてついに史料室に入ったんだ。
すると物凄く埃っぽかったの!
まぁ、当たり前だよね、誰も暫く入っていないんだから。
それでSは更に奥の窓を換気のために開けて私達も史料室の中に入ったんだ。
史料室は狭くて細長い部屋で、そこに学校の歴史、街の歴史、神社の歴史、そばの川にまつわる史料があるとかで中々面白そうな所だったよ。
それで不可解な事がこの部屋に来たときからあって、時代劇に出てきそうな一冊だけ紐で本の形にされた古い本がぽつんと低い棚の上に置いてあったんだ。
それについてSが話してくれた。
おかしいと思わない? だってさ私達の前に入った人は掃除をしに来てるんだから中途半端に本を置きっぱにはしないよね? って言ってた。因みに私にはその本さっぱり読めなかったよ!
明らかに本が入っていたであろう本と本の間の隙間があるところがあったし、入り切らなかったからとりあえず置いたというわけでもなさそうだったよ。
Iは飢えとか飢饉に関する事が書かれているみたいと少し読んで考察してて凄いなーて思ったた。
因みにSの家に同じ内容の本があるから分かると言ってたよ、山に伝わる昔話だったらしい。それを書き写した物がSの家に伝わっているらしかった。
私の家も何かと寄贈してる筈なんだよねとSが言い出し何処にあるかな、と辺りを見回した。
古い本を昔話等の本の所に戻してからSの家が寄贈した写真などの資料を探すことにしたんだ。
コピー本や学校が編纂し直したものなら確実にある筈だからと探そうとしてSが昔の古い写真系は暗い場所とかに管理されてるかもしれないけど、と言った瞬間にズズッって何かが擦れて動く音がしたんだよね。
そして音のした方を見たらさっきまで綺麗にして収められてた本が少し出ててあれ?て三人の空気が凍ったよね。
しかも本を確認したら「学園予定地及び開校改修写真集」て名前でビンゴだったの。
あれはびっくりしたなー。
森と神社などの写真や今とは違う姿の学校が出来た姿などが見れたよ。
その後ちゃんと本を戻した後開けた窓もちゃんと閉めてから、失礼しましたと外に出たんだ。
そしてドアの鍵を閉めて史料室を出て図書室にいた先生に鍵を返したよ。
少しSが先生とお話したんだけど、先生も史料室で何か起こった話は知ってるけど見たことはないんだとか。
『その先生はSの親と同じくらいでここのOGだったからこの学校のことも図書室についても詳しく知ってるのに残念そうに話してるのが気になったかなー?』
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