死の隣人

昔々、お山に住んでいて大切にされていたやんごとなきお姫様が家族で大都会に遊びに言ったとき、家族を殺され体を開かれて絶望し人から外れてしまいました。

 そこに居た人間も、それを纏った人間も暫くして発狂して死に彼女は怪談の存在になりました。

 お山に還った彼女は山のモノとなりお山から出られなくなってしまい、人として死ぬ事も出来なくなってしまったのです。

 

 ある地域だと集団自殺の現場にふらりと黒尽くめの赤髪の少女がやって来て、死ぬまでの時間を引き延ばし、苦しい思いをさせた後、救助が間に合って死に切れず生きていく羽目になるというお話があります。

 少女はその地域のかつてお山のお姫様に似た姿をしていると言われているそうです。


 死の匂いがする場所にだけ彼女は山の外に出られ、死を振りまくか、死を奪うか行って満足して山に帰っていくそうです。

 生きることに絶望しただけでは死んで逃れよう等としても彼女は許さず発狂してやっと慈悲を賜われ、逆に死ぬ事で他人の負担を減らす為なら、苦しみのない死を彼女から賜われるそうです。

 彼女自身には死の救いは訪れず、あくまで近しい存在でしかないのでしょう。

 

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