ただただ世紀末

釣ール

もう歩けない

 本来想像していた世紀末とは違う形でフィクションは現実となっているのかもしれない。


 皆から消えていく好きだった記憶。

 押し付けられる現実。


 もう誰が黒幕で誰が何のためにこんな世界にしたのかやるせないと空を見ながら恨みで拳をにぎる毎日。


 先に逝っちまいやがって。

 反省もなんの言葉もなく大して幸せでもなかったろう先人達よ。


 なんだか可哀想だ。

 誰しもが信じたものに裏切られて救われることなんてないと知ってるのに。


 すがるのも暇じゃない。

 何かに幻滅しながら演技で仕事や家庭での生活を送るのももう疲れた。


 誰にも共感されないまま、人間の現金さをSNSでブラックジョークにしながら皮肉ってもまた流れていく。


 きっとゆっくりとむしばまれる日常も大切なものを守るための戦いも世紀末としての一面なのかもしれない。


 じゃあ、どうしたらいい?

 また嫉妬と比較の毎日に戻れと言うのか?


 お前たちだけ…ずるいじゃないか。


 青年の言葉は新聞で取り上げられることもなく課題は世界も社会も先送りのまま、権力者たちのかたよった田舎思想で世紀末のまま過ぎていくのかもしれない。


 いや、強者や権力者といっても…

 結局人間には無理なことばかりでしかないのかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ただただ世紀末 釣ール @pixixy1O

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ