第114話 捨てられ王子、ローズとやらかす



 ちょっと何を言っているのか分からなくて困惑する。



「ロ、ローズがローズマリーの魂……?」


「う、うん。間違いないです、ふひ」



 たしかにローズの容姿はローズマリーに近い。


 髪や瞳は真っ赤だし、顔立ちも言われてみれば面影がある。


 しかし、何がどうして幼女化しちゃったんだ!?



「あら、レイシェルはまだ気付いてないのね?」



 ふとアデライトが訳知り顔で言う。


 ローズ……ローズマリーの身に何が起こっているのか知っているのだろうか。



「ど、どういうことです、母上?」


「冥界ではね、死者に肉体と魂のズレが生じるのよ」


「に、肉体と魂のズレ……?」


「冥界の死者の姿は、魂の形が表れているの。魂というのは、端的に説明するなら記憶ね」



 こりゃまた難しそうな内容だ。



「ええと、つまり、ローズはローズマリーが記憶を失っちゃってるからローズになっちゃった、ってことですか?」


「そうね。だからローズマリーとして生き返らせる前に記憶を蘇らせる必要があるわ」


「ど、どうやって?」



 俺がそう問いかけると、アデライトは肩を竦めて首を横に振った。


 その具体的な方法までは分からないらしい。


 ここでアデライトに代わって俺の問いに答えたのはシストレアだった。


 流石は冥界の女神である。



「い、一番可能性が高いのは、何か強く印象に残っている出来事を思い出させること、で、ですね」


「強く印象に残っていること……?」


「な、なんでもいいんです、初めてデートした時とか、出会った時のこととか、そういうのを再現したら、自然と記憶も戻り、ます、ふひ」



 俺はローズマリーとの出会いを思い出す。


 そして、それがめっちゃアウトだったことも思い出した。



「お、俺、ローズマリーと出会った時にセクハラしまくったんだけど……」



 最前線で怪我をしたローズマリーを治療したことが俺たちの出会いの切っ掛けだ。

 そして、その時に治療に必要だからと言って胸をお触りしたりした。


 あれからそれなりに時間が経ったから正直に言うが、触りたかったから触った節がなきにしもあらず。


 それをまだ幼いローズにやるのは、その、なんというか……。



「お兄ちゃん、さっきからずっと何のお話してるのー?」


「ロ、ローズ……」



 こてんと可愛らしく小首を傾げるローズ。


 かわいい。ローズマリーもかわいいが、ローズはローズでかわいい。


 こんな可愛いローズにお触りするなんて罪悪感が半端ない!!



「あら、レイシェルも男の子になっちゃったのね!!」


「あ、いや、まあ、その、ははは」



 母親に向かってセクハラした経験があるとか言ってしまったが、それはまあいいとして。


 俺はどうすればいいのだろうか。


 無邪気なローズをお触りするのは本当にちょっと罪悪感が凄い。


 しかし、ここでローズの記憶を取り戻さなきゃローズマリーはいつまで経っても帰ってこないのだ。


 ……よし。



「あ、レ、レイシェル様。寝室ならあっちに、あ、ありますよ、ふひ」



 俺の決心を察したのか、シストレアが隣の部屋へ続く扉を指差した。


 俺はローズを手招きして、隣の部屋に向かう。



「お兄ちゃん、ここで何するの?」


「えっと、だな。その、く、くすぐり合いっこだ!!」


「えー? ローズそういうの効かないよ!!」



 そう言ってベッドで大の字になるローズ。


 俺は緊張感を胸にローズの脇をそっと優しく指で撫でた。



「ひゃっ♡」


「く、くすぐったいかな?」


「へ、平気だよ!! ローズ全然くすぐったくないから!!」


「そ、そっか」



 俺はもう一度ローズのくすぐった。


 しかし、ローズマリーとの出会って俺が真っ先に触ったのはそこではない。


 俺は覚悟を決めて、ローズのパイに手を出す。



「やんっ♡ お兄ちゃん、くすぐったいよぉ♡」


「っ、ごくり」



 大丈夫、大丈夫だ。


 ローズは記憶を失っているだけのローズマリーだから犯罪ではない。


 俺はローズのローズをお触りする。



「んっ♡ お兄ちゃん、なんか変な感じする……」



 客観的に見たら、きっと俺は幼い少女の胸を触りまくるヤバイ奴なのだろう。


 実際にそうだ。


 しかし、目の前のローズがローズマリーだと思うと、罪悪感よりも背徳感を感じてしまう。


 ローズは頬を赤らめながら――



「んっ♡ お兄ちゃん、ローズそこ弱いみたい♡」


「っ」



 初めてローズマリーのおっぱいを触った時、彼女は「そこは弱いのだ」と言われたことを思い出す。


 間違いない。ローズはローズマリーだ。


 そう思うと無性に心臓がドキドキして、愛刀も自然と鞘から抜かれてしまう。

 しかし、そこはひとまず我慢してローズをお触りしまくった。


 だが、一向にローズの記憶が戻る気配はない。


 というわけで一度寝室を出て、シストレアらに相談する。



「じゃ、じゃあ、いっそエッチしたらいいと思います、ふひ」


「え? いや、でもそれはさすがに……」


「いえ、有効な手段よ。女の子にとっての初めては素敵な思い出だもの!!」


「え、えぇ……」



 ローズとやらかす。


 それはあまりにも背徳的で、想像するだけで愛刀が大変なことになってしまった。


 ……ごくり。


 俺は再び寝室に戻り、少し眠たそうなローズを見つめる。


 ローズがローズマリーの幼い頃の姿だと思うと、上手く言えないが、こう、とても興奮してしまう俺がいる。


 よし。よし、やってやる!!



「ローズ!!」


「んぅ? どうしたの、お兄ちゃん? またくすぐり合いっこする?」


「いや、その、い、今から気持ちいいことをしよう!!」



 それから俺はローズに手を出した。


 一通り終わった後の罪悪感が凄まじかったが、ローズは無事に記憶を取り戻すことができた。















 俺が寝室でローズとエッチしていた頃。



「……私はいつまで空気に徹していればいいのでしょうか」


「あら、お茶でも飲む?」


「あ、いただきます」


「わ、私も、の、飲みたい、ふひ」



 部屋の隅でクーファとアデライト、シストレアがのんびりお茶をしているが、俺は気にせずローズとイチャイチャするのであった。







―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「ロリっ娘に手を出すのはヤバイよ君」


レ「ローズはローズマリーだから!! セーフだから!! 俺はロリコンじゃないから!!」



「ローズかわいい」「くすぐり合いっこええやん」「取り敢えず書いてる作者がアウトよ」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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