第89話 捨てられ王子、イチャラブデートする⑤





 思わぬ刺客、コジロウ少女。



「こ、交尾って……」


「う、うるさい!! 黙ってぼくを孕ませろ!!」



 そう言って迫ってくるコジロウ少女。


 俺はその対応に困り、近くにいたキンコに視線で助けを求める。


 すると、キンコは朗らかに笑って言った。



「どうもコジロウは発情期みたいです。本能的にレイシェル殿に孕ませてほしいと思ってしまったのでしょう」


「あ、ああ、なるほど。発情期なのね」


「ちなみに私とギンコもちょうど発情期で……。レイシェル殿、お手を患わせてしまいますが、抱いてもらえませんか……?」


「ギンコもギンコも!!」



 コジロウ少女、キンコ、ギンコという三匹の可愛くてエッチなメスたちが迫ってくる。


 くっ、抱きたい。


 でも俺は今、ローズマリーとアルカリオンの二人とデートしているのだ。


 今日はもう他の女の子を抱くのは……。


 やめておこう、そう思った次の瞬間にローズマリーは大きな溜め息を零した。



「……まったく、お前という奴は。本当に仕方がないな」


「え?」



 ローズマリーがミタマの方に向き直った。



「ミタマ殿、この辺りにどこか休める場所はあるだろうか?」


「朕らが寝泊まりしておる宿ならすぐ近くにあるぞ」


「そうですか。ではレイシェル、その宿で三人を抱いてくるといい」



 俺はローズマリーからの思わぬ申し出に目を瞬かせてしまう。



「ロ、ローズマリー?」


「私に気を遣っているのがバレバレだ。私にも構ってほしいとは言ったが、他の者を蔑ろにしろとは言っていないぞ」



 そう言って微笑むローズマリー。


 うちの嫁、もう心が広いとかそういう次元じゃない気がしてきた。


 俺は期待で下半身を硬くしてしまう。



「では参りましょう、レイシェル殿♡」


「参りましょー!!」


「朕も行くぞ♡ ご主人様のお身体を癒やすのも朕の役目ゆえ♡」


「うぅ、は、早く行くぞ!! 絶対にぼくを孕ませてもらうからな!!」



 俺はキンコに腕を引かれて、ギンコやコジロウ、ミタマと宿まで向かう。


 宿に到着するや否やキンコたちが迫ってきた。



「それではレイシェル殿♡ 不肖キンコ、ご奉仕させていただきます♡」


「ギンコもご奉仕しますっ♡」


「うん、よろしくね」


「では朕はキンコとギンコがご主人様に奉仕してる間にコジロウを愛でるとしようかの」


「ふぁ? あ、ミ、ミタマ様……♡」



 俺は最初にキンコとギンコを交互に抱いた。


 その傍らで赤面したコジロウがミタマにいじめられている。


 目の前のキンコたちに集中するのが礼儀だろうが、どうしてもコジロウとミタマに目が行ってしまった。



「んっ♡ ミ、ミタマ様、耳はぁん♡」


「くふふ、愛らしいではないか。ご主人様に出会っていなかったら朕が初めてをもらっていたぞ」



 ギラギラした肉食獣のような目でコジロウの全身くまなくを愛でているミタマ。


 と、その時だった。


 コジロウが胸に巻いていたサラシが解かれ、意外とたわわなおっぱいが露わになる。


 おうふ!!



「お、おい、何見てんだ!!」


「い、いやあ、意外と立派なものだなって……」


「う、うるさい!!」



 ボーイッシュなのに身体はしっかり女の子って一番ドキドキする。



「これこれ、ご主人様に生意気な態度を取ってはならんぞ♡ 悪い子には仕置きせねばならんな♡」


「ひゃっ、あっ♡ 尻尾は、らめっ♡」



 コジロウはミタマに尻尾を撫で回され、艶っぽい声を漏らす。


 と、その時だった。


 ミタマたちの方を見ていた俺に、キンコとギンコが頬を膨らませて言った。



「むぅ、レイシェル殿♡ 今は私たちを見てください♡」


「見てくださいっ♡」


「あ、ごめ――んん!?」


「ふふっ、レイシェル殿のためにギンコと特訓したのです♡ お覚悟、してくださいね♡」



 キンコとギンコによるコンビネーションは凄まじいものだった。


 そうこうしてるうちに二人とのエッチは終わり、俺はイチャイチャしているミタマたちの方に向き直った。



「くふふ、ご主人様♡ コジロウはもうデキ上がっておるぞ♡」


「はあ♡ はあ♡ んっ♡」


「ほれ、コジロウ♡ ご主人様に今までの非礼を詫びて子種を乞うがよい♡」



 ミタマがそう言うと、コジロウは彼女の元を離れてその場で正座した。


 そして、額を地面に擦り付ける。


 いわゆる土下座であり、俺は急にやられてビックリしてしまう。


 お、おう、なんだなんだ?



「レイシェルさま、今までの非礼をどうかお許しください……お、お詫びに、ぼくのこと好きにしてください……♡」



 強気だったボーイッシュな少女が、瞳を潤ませて言う。


 昂らないわけがない。


 俺はコジロウをベッドに押し倒し、めちゃくちゃエッチした。












 早朝。


 元気なのは俺とミタマだけで、キンコやギンコ、コジロウはぐったりして眠っていた。


 一晩ぶっ通しでやって疲れてしまったのだろう。



「ふぅ、気持ちよかった」


「もう行くのかぇ? 朕はもっとご主人様に愛でてもらいたいのだが」


「ローズマリーたちを待たせてるから……。今度屋敷に来てよ、満足するまで抱くから」


「ご主人様には叶わんな♡」



 ミタマから熱烈な口づけで送り出され、俺は他の部屋で休んでいたローズマリーたちに会いに行く。



「お待たせ、ローズマリー!! アルカリオンも!!」


「気にするな、私が許可したことだからな」


「ちなみに昨夜のローズマリーは壁に耳を当てて坊やの情事をオカズに――」


「母上黙ってください!! ほら行くぞ、レイシェル!!」


「アルカリオン、その話ちょっと詳しく」


「食いつかなくていい!!」



 と、そこで俺は二人が見慣れない荷物を持っていることに気付いた。


 何かが入った紙袋である。



「ローズマリー、その紙袋は?」


「な、何でもない。お前は気にしなくていい」


「……気になる」



 じーっとしばらく見ていたが、ローズマリーは紙袋を隠してしまった。


 話すつもりはないということか。


 ローズマリーが何を隠しているのか知りたいが、夫婦でも隠し事の一つや二つはあるだろう。


 まさかローズマリーに限って後ろめたいことをするわけがないだろうし、サプライズか何かだろうか。



「じゃあ、次はアラクネのところに――」


「あ、あー、いや、その必要はない。お前がミタマ殿たちとシている間に私と母上で視察してきたからな」


「え? そうなの?」


「う、うむ、時間を持て余してしまってな。クウラ殿がよろしくと言っていたぞ」


「そっか」



 じゃあ次は――







―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「作者はボーイッシュなのに身体はしっかり女の子なキャラに興奮する」


レ「ぐう分かる」



「神回」「刃向かってきた女の子が従順になるシチュス好き」「作者はもう少し癖を隠せ」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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