章末付録 作中用語・世界観解説のコーナー
第四章、読了感謝です!
今回もまた、作中用語や世界観を気ままに補足・解説していきます!!
①軽銀の杖
作中で模擬戦相手の魔導士くん、マイルズに貸し出されていた、魔導士専用の杖。
軽銀とは、要はアルミニウムのコト。
つまりこれは、【アルミニウムの杖】。
……実戦で命を預けるにはなんか頼りなさそうな響きですが、実際、”魔導士が使う”という観点で考えるとそうでもありません。
軽銀は熱や電気を通しやすいことで有名ですが、これは魔力に関しても当てはまります。
魔力を通しやすい金属であるが故に、攻撃魔法を放つための媒体としては非常に優れているのです。
そのため、木製の杖などに比べて、軽銀の杖を使う魔導士は”より速く””より強力な”攻撃魔法を放つことができます。
また、軽銀は非常に軽い金属です。
そのため、非力な魔導士が長時間持ち運んでいても疲れにくく、戦闘時には取り回し効いて照準も容易。
もっと言えば、軽銀はとても美しい金属でもあるため、ヴィジュアル的にも優れています。
そのような事情から、それなりにお金に余裕が出てくる中堅程度の魔導士冒険者諸君に人気なのが、この軽銀の杖であるわけです。
ただし、この軽銀の杖、欠点も結構あります。
まず、先述の通り軽銀は非常に軽い金属であるため、近接攻撃には全くの不向きです。
鉄など硬く重い素材で作られた武器と打ち合えば、まず間違いなく押し負けます。
しかも、仮に相手に攻撃が当たったとしても、大したダメージになりません。
……なにせ、【アルミニウムの杖】だし。
また、軽銀の杖は地味に値が張ります。
軽銀自体が、その産出を古代遺跡に依存する希少な金属であるためです。
残念ながら、軽銀の精錬方法は現代では確立されておらず、遺跡から発掘される”羽のように軽い金属”を鋳つぶすことでしか手に入れることができません。
そのため、軽銀で作られた製品は、どうしてもお値段が高めになるのです。
値段は高いし、
軽銀の杖とは、そんなピーキーな一品でもあるのです。
②耐魔力
作中で、模擬戦相手の戦士の女の子―……メリアが装備していた盾に施されていた、攻撃魔法への対抗手段の1つ。
盾や防具の攻撃魔法に対する防御力を、大きく高めることができる技術です。
ぶつけられた魔力を拡散させる性質を持つ金属、
その粉末(研磨加工時等に出てしまうゴミ)を再利用し、特殊な溶液に溶かし込んで物体の表面に塗布したものです。
魔力の量や扱いに自信がなく、魔導障壁による防御に不安がある人たちの強い味方。
手持ちの盾のみでなく、据え置きの矢盾の表面などにも、同様の加工が施されている場合があります。
言わば産業廃棄物を有効利用した処置であり、比較的安価に行うことができますが……。
このコーティングは物理的な衝撃や経年で割と簡単にハゲる上、ある程度以上に威力のある魔法攻撃に対しては無力であり、拡散させきることができずにふつーに貫通されます。
お手軽故に信頼性のあまりない、付け焼刃の処置とも言えます。
そのため、慎重な性格の冒険者や軍人には、あまり好まれない技術の様です。
今回は以上です!
次は再び間章をはさんだうえで、第五章。
ヒロインが臨む初めてのクエストと、彼女が経験することになる初陣について描いていきます。
ではでは!
次章も引き続き、お付き合い頂けますと幸いです!!
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