10 いずれ慣れたいもの

 モノを首都へ連れていく約束をした翌朝、アトレは部屋のノックと共に遅い目覚めを迎えた。

 「アトレ様ー!御屋形様がお呼びですー!」

 眠気と疲れの残る体をベッドから引き剥がすと、アトレは手早く皮鎧を装着し、街に来る前に拾った剣を腰に提げる。

 「開けちゃいますよー!いいんですかー、寝顔ばっちり拝見ですよー!」

 「ちょっとリオ、私もそれ見たいですわ」

 「私も興味あります。おにーさんどんな顔で寝てるんだろ」

 大きな声は余計な二人を引き寄せたようだった。扉の外からひそひそと話す声がすると、扉のノブが捻られ、ゆっくりと扉が開かれた。

 「おはようございま~す……」

 小声で入室の合図をしたのはモノだった。……寝ていると思っているのに挨拶をするのはなにかのお約束なのだろうか。アトレは僅かな隙間から扉の縁を掴むと、一気にそれを引いて開いてみせた。

 「寝顔を見られるのは問題ないが、こっそりというのは気に食わな」

 扉を開け切ると、当然のようにノブを握っていた先頭の人間はその勢いで前へ体勢を崩した。砂金のような髪がアトレの胸へ飛び込んでいく。

 「あんっ!」

 少女の短い悲鳴とともに華奢きゃしゃな体が腕の中に納まったことを知覚すると、アトレはしばし無言となる。

 「おにーさん、起きてるなら返事してください」

 意地が悪いですねーとモノは唇を尖らせる。リオは体勢を崩した少女を心配そうな視線で見つめていた。

 「おはようございます、アトレさん」

 眼下から聞こえてきた声はテラウのものだった。アトレは未だ硬直を守っていたが、それは身体だけのことではなかった。頭の方も真っ白である。

 「アトレさん?」

 反応を一切示さないアトレに、テラウは疑問符の付いた視線を注ぐ。その理由にあたりをつけると、何かを思い付いたような表情でアトレの腰に手を回した。

 「―――!」

 すると、アトレの背筋はピンと伸びる。意識はテラウの髪の匂いと感じる体温に吹き飛んでいった。女性に慣れていないにも程があるアトレに、それをあざ笑うような「……男の人ってみんなこんななんですか?」「アトレ様はさすがに不慣れ過ぎますね」などとこそこそ話す声が突き刺さる。何を考えることもできないアトレは、どういうわけか周囲の状況だけは鮮明に感じ取って、しかしそれらに言い返す余裕もなかった。

 「寝顔も見れなかったし、私は部屋に戻りますね」

 「あ、はい。モノ様、後で朝食を部屋までお持ちしますね」

 「やたー!ふっふふんふふーん」

 どこかつまらなさそうに唇を尖らせていたモノは一転、機嫌よく部屋へ帰っていく。リオは苦笑交じりでそれを見送ると、テラウが見えないかのようにアトレを見上げた。

 「アトレ様。御屋形様がお呼びですよ」

 話しかけられて意識が僅かに戻ったのか、アトレは視線でリオに助けを求めた。顔を赤くしたり青くしたりしながら、自分に張り付いているテラウを指差す。

 「……仕方ないですねー」

 棘を刺しつつ、リオはアトレからテラウを引き剥がした。対した抵抗もなかったのか、テラウはするりと離れていく。

 「アトレさん、ああいうときはせめて抱き返してほしいですわ」

 「……」

 テラウが離れたことで、押し当てられていた柔らかさや温もりが記憶となってアトレの頭の中を駆け巡った。いざ離れられると残滓となったそれらを手放したのは惜しいと思うのである。思い出して顔を真っ赤にすると、アトレは無言で自分を呼び出したであろうウェルタの部屋へ進み出す。

 「あら、あんなに照れなくても」

 「……お嬢様。からかうのもほどほどにですよー」

 「からかう?アプローチと言って欲しいものです」

 二人は部屋から出ると、アトレを追って廊下を歩き始める。階段を上って少し進むと、アトレはウェルタの部屋の扉に手を掛けたところだった。扉が開かれると、待っていたとばかりにウェルタがソファから立ち上がる。

 「おお、来たか。ん?リオはどうした。呼びに行かせたはずだが」

 「もうじき来る」

 「んん……?まあいい。座ってくれ」

 アトレとウェルタがソファに腰を下ろすと、ウェルタの扉がもう一度開かれる。

 「お父様。お待たせしました」

 テラウは会釈と共に入室すると、何も言わずにアトレの隣に腰を下ろす。密着しない程度の、しかし温度を感じる距離だった。アトレはまたも意識が情欲の濁流に流されそうになるが、硬い表情でそれを押し止める。

 「御屋形様。私は失礼いたしますね」

 「ああ。すまない」

 リオは最敬礼を見せると、部屋の扉を音もなく閉めた。「さて」とウェルタが空気を引き締めると、アトレも硬い表情を緊張感のあるものに変える。表面上の変化はなかった。

 「昨日の話の続きだが」

 「ああ」とアトレは頷いた。進行に異論はないと、手で話の進行を促す。

 「さっき、騎士団に連絡を入れた。もうすぐこちらに向かうといっている」

 「まあ、そんなに早く」

 「それで、俺は何をすればいい」

 問いに、ウェルタは頬杖を突いた。どう伝えればいいものか。そんな迷いがアトレへと届くが、突飛とも思える仕事は傭兵稼業の常。想像の中にある最悪に近い提案であっても、引き受けた仕事としてそれを受け入れる覚悟がアトレにはあった。

 「昨晩、食事の後にテラウと話したんだがな」

 「……ふふ」

 テラウの微笑に、アトレは抱いた覚悟に亀裂が入るのを感じた。いやと顎を揺らす程度に首を振ると、意識をウェルタの方へ向け直す。

 「婚約者にしたいと言い出してな」

 亀裂が大きくなるのを感じたアトレは、しかし何とか表情を崩さずに耐えてみせた。動揺したと依頼人に知られては信頼も失おう。受けた以上は完遂するのが責任だ。アトレはその思いで依頼人の天外な提案黙って聞いた。

 「連中にそれを見せつけるのが効果的なのだとか」

 アトレは浅く息を吐いた。胸の内に溜まった何かを吐き出すためだったのだろうか。それは亀裂に砕けた覚悟の塵も吐き出したようで、アトレの表情は眉根を寄せる複雑なものとなっていた。

 「やはり君も難しいと思うかね」

 「そんなことありませんわ。お父様、連中に反論させないためにはそのくらいしなければ」

 「しかし連中は騎士団だぞ。婚約を解消させて強引に話を進めないとも言えない」

 「そんなことをしても無駄だと思い知るくらいに見せつけてやればよいのです。ええ、必要なら私、アトレさんと同じベッドに入ることも」

 「何を言ってるのかわかっているのか!まだ会ったばかりの男にそんな」

 「アトレさんは私を襲おうと思えばいつだって襲えたのです!その誠実さをわかっていないのはお父様の方ですわ!」

 あーだこーだとローテーブル越しの二人は白熱し、その内容はアトレが男として信用できるかなどというものへ移っていった。テラウが「アトレさんは恩人です!全面的に信頼できましょう!」と言えば「それでも男と女の線引きは守るべきだ!」とウェルタは返す。肝心の演技について、アトレは何一つ把握することもできないまま時間が過ぎた。

 が、亀裂の入った覚悟を修復する程度の時間にはなった。アトレは現状で唯一のまともな案であるテラウのそれを熟考すると、(自身の女性への免疫の無さを考慮しても)勝算はなくもないように感じるのだった。

 やがて二人は肩で息をするほどになると、ローテーブルの冷め始めた紅茶を一口ずつ口に含んだ。

 「……結論は出たのか?」

 「いいえ、まだ第一ラウンドですわ」

 「テラウ、お前は男というものを分かっていないんだ。しっかり教育してやろう」

 両者の気炎は万丈といったところだった。が、

 「話の方向性がずれている。時間もないようだし、代案が無いならテラウさんの案が至当だと思うが」

 アトレの指摘は二人にとって冷や水と同じだった。意気の鎮火した二人はしおしおと肩を落とす。「う、いや、しかしだな」と、ウェルタの抵抗も弱々しい。

 「それに、見せつけるだのっていうのは必要だったらという話だろう。そうならないようにあんたが話をコントロールすればいい」

 アトレの提案はウェルタの気持ちに即していた。この街の統治者の一人であるというくらいだ。口八丁くちはっちょうはお手の物だろう。アトレにはそういう見込みがあった。実際、日々面倒を処理しているウェルタにもそういった自負はある。

 「代案を出せない私にも責任はあるか。……わかった」

 尤も、昨日は目論見が外れてアトレを不機嫌にしてしまったのだが。そんな気持ちをぐっと飲み込みつつ、ウェルタはテラウの案に一応の肯定を示した。

 「ふふ、アトレさん、よろしくお願いしますね」

 「ああ。……仕事だからな」

 念を押すような台詞に、しかしテラウは微笑を見せるばかりだった。

 話がまとまると、その後は詳細な打ち合わせが始まった。”ああ言えばこう言う”を決める、脚本の調整である。その主導はテラウだったが

 「基本的に、私とアトレさんはべったりでいいと思いますの」

 「御免被る」

 「ダメだ」

 という、数の力が偉大なことを示すやり取りがその大半を占めた。しばらくそうやって話していると、紅茶はすっかり冷めてしまっていた。

 話はまとまらなかったが、方向性自体は三者の間で共有できていた。基本的には成り行き任せ。必要性が生じればカップルらしいことをするというものだ。相手は強引に話を進めるのだというのだからそれだけでも十分。あとは騎士団が来るのを待つのみという時、

 「御屋形様」

 扉の外から低い声が呼びかけた。それが執事のものだとわかると、ウェルタは「入れ」と招き入れたが、執事は言いづらそうな間を取って扉越しに告げた。

 「……お客様がおいでです。騎士団を名乗っております」

 室内の三人は顔を見合わせると、そこでようやく時間の経過を肌で感じるのだった。

 「俺達は一度部屋へ?」

 「いや、ここにいてくれ。どうせ呼ぶだろう」

 「わかった」

 短いやり取りを終えると、ウェルタは「ここに直接通せ」とバルに声を上げる。「かしこまりました」とバルが去り少し、執務室の扉は音もなく開かれた。扉の外は廊下ではなく外に通じている。騎士を名乗る五人は肩を揺らしてウェルタの部屋へと上がり込んだ。

 騎士に次いで執事のバルが部屋に立ち入ると、外と繋がった扉が閉じられた。が、扉の魔法は未だ続いているのか、その縁は柔らかい魔力の光を纏っている。

 部屋が文字通り外界と遮断されると、ウェルタはソファから立ち、執務机へ座り直した。先程までの父親然とした姿は消え、どこか威厳を感じさせる雰囲気を見せている。

 「どうも。ウェルタさん」

 「やあ、ブラドさん。娘は助けてくれたかね」

 アーメットを脱ぎブラドと呼ばれた騎士に、先に仕掛けたのはウェルタだった。娘を助けたのは無論アトレだ。ウェルタの言葉は、文字通りの皮肉となってブラドを突き刺す。

 「ウェルタさん。俺ぁそういう言い方は好きじゃねえな」

 ブラドはまだ部屋に入ったばかりだというのに、怒りを抑え引きつった表情だった。ぐるりと部屋を見渡すと、アトレにぴったりとひっついたテラウに視線を送る。下卑げびた目線に怖気の走るテラウだったが、これ幸いとアトレに強くしがみついた。

 「こちらが娘さんで?美人じゃないの」

 「……」

 テラウはアトレにしがみついたまま動かないが、目線は騎士達に釘付けとなっていた。何をするかわからないという恐怖は確かにあったのだろう。アトレへの好意からしがみついた手は、いつの間にか微かな震えを見せていた。

 ブラドはアトレをちらりと見、舌を一つ打ち鳴らした。アトレは仕事と割り切ると即興アドリブでテラウの肩を抱く。意識は意外な程平静を保っていた。

 「は。なんだ。俺達との約束が守れないからって、婚約者でも用意したか?」

 「ご尤もだ、ブラドさん。彼はアトレ君。先日娘と知り合って、娘の方から恋に落ちたらしい」

 アトレを手で指すと、ウェルタは慇懃いんぎんな、実にいい笑いを浮かべて見せた。

 「おいおいおい。言ったよなぁ。娘を俺らに寄越す。あんたは頷きもしたんだ」

 ウェルタの表情が気に障ったのだろう。ブラドは苛つきを隠しもしなかった。ウェルタはそれをするりと受け流すと、

 「君らは結局娘を助けられなかっただろう?」

 と事実を突きつけた。騎士達は各々の仕草で進まない話に怒りを募らせる。

 「無事なのは同じだろ?なら約束を守らないとな」

 「君らが約束を守ってないのだから、こちらにその義務はない。帰ってくれ」

 ウェルタがそう言うと、ブラドは大きく息を吸って、ねっとりとそれを吐き出した。怒りを抑えていた表情は、薄い笑いへと変化している。何かしようとしている。アトレはテラウを背に回すと、ソファから立って身構え、右脚の裏に意識を集中させる。

 「わかってねぇな」

 ブラドは執務机を殴り付ける。攻撃的な音と薄ら笑いに殺意が見え隠れすると、テラウは更に怯えを強くした。同時にアトレの表情は険しさを増す。

 「アトレさん……」

 「大丈夫だ。あれはフリだ」

 「え……?」

 ウェルタもそれを見抜いていたのだろう。ブラドのそれに一切怯むことはなかった。硬い表情を崩さずに毅然きぜんと立ち向かう。

 「道理の話か?だとしたら、わかっていないのは君らの方だと思うがね」

 「はぁ……道理か。道理ってのは理性っつー抑止の上に成り立つもんだよなぁ」

 「抑止?君らの横暴さのどこに抑止が働いているのかね」

 場は剣呑けんのんさを帯びていく。緊張した糸を切ったのは、果たして騎士の方だった。ブラドがもう一度机を叩くと、他の騎士達は取り除くべき対象、つまりアトレを凝視した。

 「だからよぉ、それがねぇって言ってるのがわからねぇか?」

 「……帰れ。お前たちに娘はやらん」

 「は、お前の娘もらうまでは帰らねぇよ!おい!」

 部下なのだろう騎士達の内ニ人がアトレへ迫る。残りの三人のうち、一人はブラドと共にウェルタを抑え、もう二人は執事のバルに迫っていた。騎士達は剣を抜き、それぞれの標的に突き付けている。

 (殺してでも奪うつもりか?騎士のイメージからは随分遠いことをする)

 アトレは剣を抜き放つと、左右に一人ずつ立つ騎士の切先に違和感を覚えた。

 (刃こぼれが多い。それに、鎧も)

 騎士達の鎧は大きな傷や凹みが目立った。騎士と呼ぶにはあまりにも粗末な装備である。それについて深く考える暇はなかった。一歩、左の騎士がアトレへと距離を詰める。もう半歩もすれば、お互いの切先は交わるだろう。

 騎士の兜から覗く視界は、明らかにテラウではなくアトレへ向いていた。倒すべき障害だから当然だと言えばその通りだが、その色は怒りに赤く滲んでいる。アトレからすれば覚えのないそれに、アトレはまたしても困惑を募らせる。

 が、そんなこととは別に、目の前の騎士二名を制さなければならない。アトレは敢えて自分から半歩前に出ると、二人の騎士の剣と切先を交差させた。間合いである。

 「は。カッコいい、ねぇ!」

 左の騎士が剣を振り上げると、右の騎士はアトレの右脇に回り込む動きを見せる。アトレはそれらに構わず左の騎士へ肩から突進した。右足で蹴り出した床には薄青の魔力光が残る。何らかの魔法が発動している証拠だろう。それに気付くこともない騎士は、しかし既に体重を前にかけていた。鎧の重みも加わったそれを止めるのは、余程の膂力りょりょくが無いと叶うまい。

 「はっ」

 対峙する左の騎士は笑ってみせた。突進自体の衝撃は受けるだろうが、がら空きの背中を一刺しすればこの優男は終わりだ。後ろ脚に残してある力で踏ん張ると、それで十分だとうそぶくように踏みしめる声を鳴らす。

 が、踏みしめた足ごとその体は地面を離れる。肩から突っ込んだだけのアトレは騎士の体を大きく持ち上げてみせた。それだけに留まらない。持ち上がった騎士の体に大きな衝撃が走る。ただの突進とは思えない程に。

 「か……ァっ!」

 衝撃は、騎士を剣ごと吹き飛ばす程に強いものだった。胸から吐き出せるだけの空気を漏らして吹き飛ばされた騎士が床に触れる前、アトレはそれを確認することもなく、すぐ右にいるであろう騎士に視線だけを向ける。仲間が吹き飛ばされたことにまだ反応しきれない騎士もまた、アトレ目掛けて剣を振り下ろしている。

 アトレと視線が交差した騎士もまた、僅かな油断を心に許していた。アトレは右手に剣を持っている。自分が両手で振り下ろしつつあるそれは、なんとか敵に受け止められるだろう。だが、それだけだ。アトレは騎士から見て右を向いている。防ぐにしても両手は使えず、突進の影響で体は流れている。踏ん張りが効かない防御に何の意味があろうか。流れた体で回避ができようか。どちらにしても、死期が僅かに延びるだけであった。

 (悪手)

 確信は内心の笑みへと変化する。アトレは騎士の目論見通りに右手一本で剣を受け止めようと構える。突進に流れた体は左足を床へと踏み下ろす直前だ。踏ん張りの効かない防御は意味を為さない。騎士は確信すると、剣を振り下ろす両の手に目一杯の力を込めた。

 「ッ!!」

 鈍い金属音が部屋に鳴り響いた。アトレは左足を大樹の根の如く踏みしめ、流れつつある体で、しかしそれを防いでいた。明らかに体を痛めかねない姿勢は、普通の人間であれば明らかに足を痛めるだろう。流れていた体はぴたりと止まり、やや無理な体勢ながらもその攻撃を受け止める。

 右手一本のでそれを為す姿は騎士に驚きを与えるものだったが、それ以上に驚くべきことがあった。防ぐのみならず、アトレの剣は体重の乗った騎士の剣を弾き上げたのである。

 「グ、ッ!」

 甲高い音と共に騎士の体が後ろに体が流れる。体勢を崩してどすんと尻餅をつくと、騎士はアトレを見上げる形となった。アトレは体勢を立て直すと一歩踏み込んでその顔面を兜ごと蹴り付けた。その威力は騎士が部屋の壁へ吹き飛んで叩き付けられる程で、食らった本人はそのまま意識を消失した。

 瞬く間に二人を倒したアトレは、冷や汗を拭う間もなく依頼人を抑える騎士に目を向けた。

 「そいつを離せ」

 剣を向けて言い放つと、ブラドは浮かべていた薄い笑いをとうとう怒りの形相へと変えた。

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