第14話 『イロモネ○』と【えな○君】と「乳首ドリル」
「えっと……
《その通り。さあ、一族名前当てクイズ、やりますか……やめますか?》
「今度はなんでイロモネ○っぽく言ったんですかね……」
《どう選択しようが、君達の自由だ。まあやめた所でプールされた賞金を持ち帰れる訳ではないがね》
「やります……やるしか選択肢が無いでしょうが」
【そうね……でも会長、一つ約束してもらえますか? 私達が勝ったら――この件に関して完全に手を引くと】
《ああ、誓おうじゃないか。だが、先程も言ったように生徒会メンバーに約束してしまった手前もある。万が一君達がこの問題を解いてしまった場合は、その一部始終を彼らに報告させてもらうよ。君達がどれだけ素晴らしい手際でこの私から逃れたのかを知らないままでは、メンバーも納得できないだろうからね――それは了承してもらえるかな?》
「俺達には相談に対する守秘義務がありますが、相談者本人である青龍寺会長がそうしたいというのなら、止める理由はありません」
《――よろしい。それでは早速『青龍寺一族名前当てゲーム』を始めようじゃないか!》
「名前当てゲームか……でもその対象って一体誰なんですか? 会長のご両親は超のつく有名人ですよね?」
《そうだね。まあSRG総裁である父――青龍寺
総理大臣経験者の娘がアイドルグループでセンターに上り詰めた後、女優に転身。
人気絶頂期のさなかに青龍寺に嫁ぎ、数年後には映画監督として芸能界に復帰。
爆発的ヒット作を多数生み出したかと思えば、近年では戯れに書いた小説が直木賞候補にエントリーされるという――うん、設定盛りすぎだな、我が母ながら》
『はい、私もメグミ・セイリュウジの名前は知ってました……それにしても改めて聞くと、冗談みたいな経歴デスね……』
【まあ青龍寺会長を見ていると、この親にしてこの子あり、という感じで、ある意味納得はできるんだけど……今回は、それ以外の家族を当てろという事なんですか?】
《ああ、私は五人兄妹で、上に兄が一人、下には妹が一人と弟が二人いる。君達には私以外の四人を当ててほしいんだ――とりあえずこれを見てくれ》
「え? わざわざプリントまで用意してきたんですか……」
《はっはっは。夜なべして作ってきた問題なので、心して解いてくれ。灰咲君、確認の為にちょっと読み上げてもらっていいかな?》
「あ、はい……ええと、長男
長女
次女
次男
三男
《うむ。では五つのホニャララに該当する漢字を全て当ててくれ》
「いやいやいや、分かる訳ないですよねこんなもん……」
《私の夜なべ力を見くびるなよ
「マ、マジですか……」
《そんな訳ないじゃないか》
「……えな○君風に言うのイラっとするんでやめてもらっていいですか」
《はっはっは。そう慌てないでくれ。プリントの裏面にきちんと、答えに辿り着くまでのヒントが記されている》
「裏面?……ああ、ほんとだ。ええと……ヒントその1
①=0
②=2(≓純)
③=1
④=1(純)
⑤=1
⑥=1(純)
⑦=1
…………な、なんだこりゃ?」
《はっはっは。勿論1から順番に考察してもらっても構わないが……とりあえず続きを読み上げてくれたまえ》
「……分かりました。ヒントその2
五つの□のどれかに、春 夏 秋 冬 の中のいずれか一つが
当てはまる
更に他の□のどれかに、萩 萌 芳 葉の中のいずれか一つが
当てはまる」
【1に比べると随分と直接的な情報ね】
「ああ――で、次はヒントその3
五人兄妹の名前、計十文字の内、重複している漢字が一組存在す
る」
『ふむふむ、これも大分具体的なヒントデスね。つまり、使われている漢字は全部で九種類という事でショウか』
「――だな。そしてヒントその4
五人の名前は円環している」
『円環?――つまり名前が輪になって巡っているって事デスか? どういう意味でショウ?』
「ちょっと思う事はあるが……とりあえず最後のヒント5
年齢とサラリーマンの憂鬱度は比例
している(左)」
【これも全く意味が分からないわね】
『……デスね。これで全てのヒントが出揃いまシタが、1、4、5はかなり抽象的なヒントデスし、2、3は具体的デスけど、現状ではまだ絞り込むのが難しそうデスし……どこから着手すればいいんでショウか?』
「足がかりになりそうなのは4じゃないか?」
『4? ユイトは『円環』が何を意味するのか分かったんデスか?』
「おそらくは、長男→長女→次女って感じで名前と名前に何かしらの繋がりがあるって事だと思う。そして円環って事は五人目の三男から一人目の長男も繋がっているんだろうど……」
『成程、名前の繋がりデスか。じゃあまずはそこの法則性を考えてみまショウ。ううん……繋がり……繋がり……』
【繋がり……はっ! きょうだい同士でいやらしい事をしている可能性はないかしら?】
「ねえよ! 一万歩譲ってあったとしてもそんなのクイズのヒントにする訳ねえだろ!」
《いや、するぞ》
「すんのかい!」
《はっはっは。あくまでも、あったとしたらという仮の話だ。まあ昭和のミステリーならいざ知らず、実際にはそのような禁断の関係などありはしないがね。きょうだい間で行われているいやらしい事といえば――せいぜい乳首ドリルくらいなものだ》
「すな!」
【灰咲君、一つの可能性を潰した事で一歩、正解に近づいたわ……私、褒められるべきだと思うの】
「褒めるか! そんなもん議論するまでもなく分かりきってるだろうが!」
【でも乳首ドリルはしてたじゃない!】
「逆ギレの方向性がおかしいだろ!」
《ちなみに私は、個人的には乳首ドリルよりもうん○ドリルの方が好きだぞ》
「誰もきいてねえよ!」
『うーん、私は前者の方が好きデスかねー。あのツッコミ大好きなんですよ。うん○すんのかいせんのかい、ってやつ』
「乳首だろ! うん○はしろ!」
『日本語は難しいデス……』
「話を戻すぞもう! 名前の繋がりだったよな……
長男
長女
次女
次男
三男
この中で唯一連続して確認できるのは、次男の
《デスね。私も日本語は一生懸命勉強してマスけど、平均の均が『ひと』と読めるなんて知らなかったデス》
「まあ日本語の漢字の読み方のバリエーションはちょっとおかしいからな……ん? 待てよ……平均のきん?…………………………もしかして繋がりってこれか?」
『あ!
「もちろん確定はできないけど、仮説として検討してみる価値はあるかもな。均と金はお互いに『きん』ともとも読めるけども、実際には『ひと』と『かね』で違う読み方が採用されている――って感じで。ちょっとこれで進めてみたいんだけど、黒妃は何か異論があるか?」
【…………私は乳首ドリルもうん○ドリルも好きすぎて、会長とフワリス、どちらの意見にも賛成できないわ】
「そういう異論じゃねえよ!」
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