第2話 あいつ

said 亮

俺の頭の中は、混乱の渦に包まれていた。


(瑞稀が死ぬ?)


俺の中ではありえないことだった。あいつとは、ずっと一緒だったんだ。困惑して言葉も出なかった。

けど、今思い返せばいろんな予兆があったと思う。なんでもっと早く異変に気付けてやらなかったんだろうと心の底から思う。

色々なことを考えながら家に着いた。


「ただいま。」

「おかえり!亮どうしたの?なんかいつもより元気ないみたいだけど?」


母に言われて俺は今どんな顔しているんだろうと思った。


「え?」


母が戸惑い始めて自分の顔を何か暖かいものが頬を伝った。鏡を見て俺は混乱した。


(俺今泣いてるのか?)


そのことに気付くとストッパーが外れたように俺は泣き崩れた。

母は、いきなり目の前で泣き出す息子に混乱していた。


数時間後、母に俺は今日瑞稀から聞いた話を話した。

その話を母は、何も言わずにただ聞いてくれた。

俺が全部話し終わると母が口を開いた。


「そう。やっと聞いたの。由美がね言ってたの、けど亮には言わないでねって瑞稀君に言われてたの。瑞稀君自分が一番つらいはずなのに亮の心配しかしてなかった。お母さんびっくりしたのよ。少しは落ち着いた?」


落ち着くというよりも脱力感と喪失感に苛まれているよ、と心の中では思っていた。


「うん。大丈夫、ごめん母さん。俺今日夕飯いいや。今日はもう寝るね。」


「分かった。なんか欲しくなったら夕飯冷蔵庫にあるからね。」


そう言われ生半可な返事をして俺は、自分の部屋のベットに寝転んだ。

しばらくぼんやりと考えていた。

あいつは、今までどんな気持ちで俺と一緒にいたんだろうか。どれだけ苦しんだのだろうか?

そう思うと胸が締め付けられる様だった。

何をしていても落ち着かない。


思うところが、いろいろあって俺は電話を掛けた。


少しの間があってあいつが電話に出た。





次回 第三話 変化の中で






第二話をご覧頂きありがとうございます♪

長い時間空いてしまってすみません!

今後はもう少し短いスパンで投稿できる様に頑張ります!!!


第三話も読んで頂けると嬉しいです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

隔週 月曜日 19:00 予定は変更される可能性があります

俺とお前の最後の夏。 深風 彗 @keimikaze0705

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ