第5話 入学6日前 -朝食- (翔side)

時計を見ると8時13分、ベッドから抜け出し、洗面時に向かった。その後キッチンに向かい、朝食の準備を始める。


キッチンからリビングを見ると、五月はソファーに寄りかかりながらスマホで動画を見ていた。

五月に母さんの事を聞くと、五月は動画を見ながら答えた。


「五月、母さんは?」

「んぁ?あぁ、また昨日も深夜までやってたみたいだよ。昨日も盛り上がってたみたいだし。」


(ってことは、起きるのはお昼ぐらいか。)


まだ起きてこない母さんの事は一旦忘れて、手早く朝食を二人分作り始めた。

朝食の準備は、ほぼ毎日自分が担当していた。でも料理は苦ではなく、むしろ楽しんでいた。


(自分で作るの好きだしな。)


母は昼夜逆転の仕事をしており、これが日常的なルーティンだった。

ちなみに、父は出張中で、入学式に合わせて帰ってくる予定だった。


「五月、ご飯はどれくらい欲しい?」

「大盛りで!」


茶碗にご飯をよそいながらだらけている五月に聞くと、五月は即答で答えた。


テーブルにご飯(五月は大盛り)、簡単に作った味噌汁(出汁入りの味噌を溶かし、乾燥ワカメを入れてお湯を注いだもの)、目玉焼きとソーセージを並べていった。

あと何かあったかなと冷蔵庫を見ると、昨日作ったほうれん草の胡麻和えがあったので、野菜はこれでいいか、と出した。


「できたぞ。」


リビングにいる五月に声をかけると、五月はスマホを置いてソファーから飛び起き、テーブルについた。


「相変わらずお兄はさっと作っちゃうねぇ。可愛い五月ちゃんのお嫁に欲しいねぇ。」

「あほ、むしろお前が嫁になる方だろ。ほら、冷めるからさっさと食べな」

「はーい、それじゃ、いただきます!」


五月は颯爽と食べ始めた。

翔は五月がひたすら食べ進めるのを見て、心の中でぼんやりと思った。


(そんなに食っても胸にはいかないんだよな…)


食べた栄養はどこにいっているのだろうと五月を眺めながら食事を進めていくと、五月はぺろりとご飯を平らげていた。


「お兄、おかわり同じくらいでね。」

「はいはい」


可愛い妹の為だと思い、五月のご飯を盛りに行くのだった。




ーーーーー雑記ーーーーー

ここまでお読みいただきありがとうございます

みっくすPです


ずっと考えていた世界を文章で伝えることがこんなに難しいとは…


展開的には1日の内容を各キャラ視点で複数話で進めていく予定です


一応元ネタとして参考にしたゲームがあったり…(わかる人いるかな?結構古めのゲームだし、いろいろ追加したりしてるけど)


次回はちょこっとだけ五十嵐兄妹の母親の仕事についても触れていきます

まぁ、深夜まで自室で盛り上がる仕事と言えばこれかなって予想はつけやすいかな

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