第3話 ドーナツ
☆
現彼女に浮気された。
それで俺は元カノと5年ぶりにつるみ始めた。
滅茶苦茶楽しい。
あの日。
俺は後悔しかない日々を過ごしていた。
だけどこうしてつるみ始めると楽しかったあの日を思い出す。
考えながら俺は授業中に和奈を見ていた。
和奈も俺をチラ見している。
俺はその姿が若干に愛おしく感じる。
愛おしく感じたらいけないのだろうけど。
一応、俺には彼女が居るから。
あんなクソバカでも彼女だ。
これから先、別れようとは思うけど。
「...」
俺はそんな事を考えながら外を窓から見た。
和奈以外の女子と付き合っても何一つ良い事が無かったな。
思いながら俺は外を眺め見る。
それから溜息を盛大に吐いてから授業を最後まで受けた
そして俺は帰る準備をしていると。
和奈がやって来た。
☆
「一穂。帰らない?」
「帰らないっていうのは?」
「私と一緒に帰らないかって意味だよ」
「!」
そう話しているとクラスメイトの男子達が「おう。帰れや。どうせその子もお前の彼女になるんだろ(怒)」と怒った。
まあそうなるわな。
そう考えながら俺は「俺には彼女が一応居るから」と苦笑い。
「コイツは...とても大切な幼馴染だよ」
「一穂...」
そんな会話をしたら和奈が赤面しながら横を向いた。
俺はその顔に苦笑する。
するとクラスメイト達が盛大に溜息を吐いた。
「ジョークだっつーの」と言いながら、だ。
「まあだろうなとは思うし手は出さんけどな」
「再会が久々なんだろ?」
「クソ羨ましいが仕方がない」
という感じで言い出す。
俺は目を丸くしながらその姿を見る。
みんな苦笑しながらそう言ってくれた。
俺は後頭部を掻く。
それから笑みを浮かべた。
「有難う。みんな」
「まあクラスメイトですし」
「弁える時は弁えないといけんしな」
「だけど」と切り出すクラスメイト。
それから「お前らお似合いだと思うけどな」と言ってくる。
俺はその言葉に和奈と顔を見合わせた。
そして「そうか」と返事した。
「だけど一穂はあくまで幼馴染だから」
「でも砂山の彼女って...確か」
「聞いた事はあるな。事実かは知らんけど」
俺は「落ち着け」と濁した。
それから「俺の事はどうでも良いわ」という感じにする。
みんなは「まあお前がそう言うなら」と困惑気味だったが話を成立させた。
俺は「...ああ。じゃあな」と挨拶をして俺は和奈と一緒に帰る。
そうしていると電話が掛かってきた。
その相手は...富山だった。
俺は「もしもし」と話した。
すると富山は怒った感じで電話に出る。
『もしもし!一穂!?』
という感じでだ。
俺は「何だ」と言葉を発すると『他の女と一緒だっていうじゃない。何で?』と言ってくる。
その言葉に「ああ。お前が浮気したから浮気した」と平然と返事をした。
すると無言になった。
『...え?』
「お前股を簡単に開く奴だったんだな。...そんな奴とは付き合えないな」
『...』
「...じゃあな。楽しかったけど地獄の日々だった。後は地獄にでも落ちてくれ」
『一穂...待って。私を捨てるの!?』
「当たり前だろ。...お前じゃなくて元カノの方がよっぽど良い。死んでくれ」
『か、一穂。待って。考え直す気は』
「無いな。じゃあな」
そして俺はその連絡先をブロックした。
それからすべて抹消する。
すると横の聞いていた和奈が「えっと」という感じになる。
俺は笑みを浮かべた。
「和奈。という事だ。付き合うか?」
「...本当に良いの?私で」
「お前との日々は楽しかった。...富山に比べたらな。だから付き合おうか」
「...そっか」
和奈は「...じゃあ先ずは手を繋ごうか」と言ってくる。
俺は「...いや。何でそうなるんだよ」と苦笑する。
すると「良いの」と言いながら和奈は俺の手を握った。
そして笑みを浮かべる。
「...一穂は良かったの。これで」
「良かったもクソも無いな。そもそもアイツが悪い」
「...そうだね。分かった。じゃあ付き合おうか」
「ああ」
そして俺は元カノの和奈と付き合い始め...たが。
まだ問題は終わって無かった。
これから苦難の道のりとなるが...だけど。
俺は...。
☆
一穂の手が大きい。
こんなに5年で大きくなるんだ。
私は思いながら一穂に寄り添ってから手を繋ぐ。
心臓がドキドキする。
「...俺は...誰とも付き合わなければ良かったんだな」
「そんな事は無いけど。...富山だけが最悪だっただけでしょうね」
「...俺達は運命的だったんだな」
「うん。そう思う。...一穂が好きだしね」
「...そうか」
そして私は一穂に「何か飲まない?」と聞いてみる。
すると一穂は「そうだな」と返事をしながら「なら○スドに行くか?」と言いながら私を見てくる。
その言葉に「うん。だね」と返事をしながらそのままミス○に向かった。
手を繋いだまま。
「...それで...お前は英語とかペラペラなのか?」
「うーん。変わらないね。ただ日常会話は成立するかもね」
「ほー。凄いな」
「英語無しじゃ生きられないしね」
「そりゃそうだろうな」
私はドーナツを見ながら「美味しそうだね」と笑顔になる。
一穂は「...笑顔は止めろ。反則だ」と赤くなる。
そんな姿に私は柔和になる。
そして私達はドーナツを選び始めた。
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