デイリー四季ちゃん
〈
それから私が目を覚ましたのはほんの数秒後だった。なぜなら先ほど抱き着かれた時と姿勢は変わっておらず時計を確認しても気絶する前とほぼ同じ場所を針がさしていたからだ。
なぜか冷静な頭を使って抱きつけれる前の『私が上書きしてあげる』という言葉の意味を考えようとした。
だが、やはり無理だった。こんなかわいい双子姉妹に抱き着かれているのだ。長い時間冷静でいられるはずがない。意識が覚醒してまもなくは冷静だった頭がすぐにオーバーヒートした。
ただわかるのは二人の柔らかい感触。そして甘く、くらくらしてきそうなほどの甘美な匂い。さらに抱き着かれたからこそわかる二人の豊かな双丘。いくら同性といえどかわいい二人にこんなことされて、変な気を起こすなというほうが難しい。必然的に私の目線は二人の顔から胸元、お尻と女性という存在を主張する部分へと移っていった。
抱き合っていたのは約10分。私は二人に手を出さなかった私を褒め称えたい。
二人と少し離れて一拍おいて落ち着く。そこにはなぜかどや顔をしている
『急に何!?』
『私たちで上書きしてあげるんだよ』
『なにを?』
『あの豚どもに穢されちゃった四季ちゃんをだよ』
『え?』
『大丈夫、何も心配いらないよ。私たちがきれいにしてあげるから』
ふむ。どうやら、この双子やばいらしい。確かにあのナンパ野郎たちに胸をもまれたり、体を触られたのは最悪だったし、触られるならならまだ二人のほうがよかったが、ここまでは求めてない。
そんなこと考えていたら、まだドヤ顔なままの陽奈に胸を撫でられた。
「んっ//、、、」
喉から変な喘ぎ声が出てしまった。
その後逃げるように教室を出てその日はもう帰った。
帰り道、先ほどのことを考えていた。逃げ帰ったのは胸を触られた嫌悪感からではなく、ただただ恥ずかしかったからだ。触られた箇所は、まだ感覚が残っており、少しジンジンしていた。
それから数日は彼女たちにつかまらないよう、ぎりぎりに登校して、授業と授業の間はどこかに隠れ、終業のチャイムが鳴ったら速攻帰宅を繰り返していた。
だがそう長くは続かなかった。今日もまた終業のチャイムと同時に帰ろうとするとクラスメイトの女子に止められた。先生が読んでいるといわれついていくと、そこにいたのは先生ではなくあの双子だった。呆然と固まっているうちに私を誘導してきた子はどこかに消えていた。
そうして始まったこの時間。まずはハグを数分、次に呼吸ができず苦しくなるまで舌と舌が絡み合うような濃厚なキス。お腹や頭をなでながらついには胸にまで手を伸ばしてくる。
話すことができないからこそ、一つ一つの行為が苦しいくらいものすごく濃密に思えた。
だが、最後の一線だけは越えなかった。残り少ない自分の理性でそこだけは死守した。
この日から様々な手で私を呼び出し狂わそうとしてくるようになった。
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どうも「ガウテン」です。
多分次が最後です。最後じゃなかったらすみません。
では、また。
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