第2話 男の依頼②

フッ

アイリスは崩れぬ笑顔で言い放つ。


「ムリですムリですぅ。お断りですよぅ探偵さん」


男も崩れぬ笑顔で言い放つ。


「それは困りますね。貴女が」

「まさか!勅命を受けたのはア•ナ•タ。違いますぅ?」


ヒヤリ

アイリスの首筋に剣があたった。

背後に圧迫感が生まれる。


「まぁ!素敵な相棒もいらしてたんですねぇ。」

「まったく白々しいね君は」

「あはは、お客様もですよ」


アイリスはわざとらしくため息をつく。


「さしもの私も存在しない人探しはムリでして。仕立て屋に行かれてはどうでしょう?」

「それがね、存在するんだよ。よーくご存知だろうけど」


剣が揺れた。

アイリスはそう感じた。


「まさか、まさかですよぅ。初耳ですぅ。隠し子ってやつですか?」

「えぇ、先王の遺書に書かれていたらしいですよ。愛する人との子を2人預けた、と。」

「へぇ!愛する人との子ですか?それは興味深いですねぇ。どこに預けられてたんですかねぇ?」


フッ

男がしたり顔で言い放つ。


「貴女のおとうさまの元ですよ。おとうと様はどちらに?」


ただ1人アイリスに剣を構える男が息をのんだ。


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代行探し屋 灰雪あられ @haiyukiarare

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