長すぎる悪夢の始まり1

なんとか登り終えた…


外から見てわかるように、壁の部分は基本的にガラス張りだった

場所としては、大広間だろうか。人が多く、小さな屋台も出ている


‥‥‥‥‥


お腹が痛くなってきた。

人が多い所は苦手なのだ。

しょうがない、誰も居ない壁際に行こう

こう、夢ならもうちょっと、人が少なくていいんじゃないか。


「うーん‥」


人を見てみると、ドレスがスーツ姿が多い。

ドレスは、お尻部分が上がって居たり横に伸びて居たりしてる。それぞれの共通点は、足が出てないくらいか

スーツは社会人のスーツと言うより、一昔前の‥燕尾服?に近しい

今ではコスプレで使われそうなスーツだな

くるみ割り人形の兵隊さん(※違う)といい、この夢は一体どうなっているんだ


『離着陸の時間が迫りました。お立ちになっておられるお客様は、座って着陸の時をお待ちください』


何処からか声が聞こえてきた。近くに椅子はないし、地面にしゃがみ込んどこう

いつもなら、この面白くなりそうなところで起きるんだろな。残念な気もするけど、早く起きたいし、いっか


「遅かったじゃないか。遅刻か?」

「悪るかったって何度も言ってますよね…」


入り口のあたりで、小柄な銀髪美女と、黒髪の男性が言い合っているのが聞こえた

2人と距離は離れているのに、何故か聞き入ってしまう。

不思議な夢だ。ま、夢ってこんなもんか


「…………」


…流石に長すぎない?

夢ってこんなに長かったっけ?

覚えてないだけで、夢って実際こんなに長いの??


もしかして、夢じゃなくて、異世界転生って奴だったり…?あんな怪我を負って生きているとは思えないし

いや、流石にそれは有り得ないか‥

‥‥‥嫌な予感がする

言葉に現せない、不快な感じ

ふと、ガラスに顔を向けると、不快感の理由が分かってしまった


「…………は?」


ガラスに映りこんだ私は、私じゃなかった

いや、顔も身長も一緒だ。

でも、髪色と髪型。それに、目の色が違う

髪は肩ぐらいに短くなってるし、髪は緑色だし、目は赤色

誰がどう見ても私じゃない。

いや、顔は私なんだけど、取り巻く要素が私じゃない

目の赤色は氷鹿より濃くて、人間味がある

こう言うと氷鹿が人間味のない瞳を持つように聞こえるが…まぁ、襲ってきたし、脳の何処か欠けてるのかも知れない


話がズレた。

なんで私はこんな見た目になっているんだ!?

夢じゃ、私のない誰かになるってことはあるけど、顔は完全に私だし、目の色は妹に似てるけど、髪色は違うし

そもそも、なんで髪がこんなに短いんだ?

変わるとしても中途半端すぎる‥

もしかして、最後に感じた痛みって、首だったり…


…やめようやめよう!怖いことを考えるのは!


「あれ、君、1人?」

「え?」

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異世界転移した少女の旅物語 夕焼けの砂浜 @evening20

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