第4話:花音ちゃんはついに僕の彼女になる。
「あのさ、今更だけど・・・ほんとに僕でいいの?」
「はい、よろしくお願いします」
で、どうしてもって言われて一度はおっけ〜はした。
昼前に花音ちゃんと別れて家に帰って来てから、やっぱりな〜って思った。
これだけの歳の差なら絶対ジェネレーションギャップない訳ない。
世代が違いすぎるから・・・話にならないだろ?
聴く音楽だって違うだろうし・・・。
僕はサザンとかドリカムとかの時代だけど花音ちゃんはバリバリYOASOBI
とか緑黄色社会とか、Snow Manとか男性アイドルグループかもしれないし・・・。
韓国の男性アイドルグループもいるな〜。
って言うか僕はNewJeansが好きだけどな。
見るモノだって趣味だって違うだろうし・・・価値観だって・・・。
だから、付き合ってもうまく行くはずないって思った。
で、よく考えた上で「笑屋」のバイトから上がった花音ちゃんに笑屋の
座敷を借りて彼女に決定打を打つことにした。
たぶんその時点で店の大将も女将さんも僕と加音ちゃんの間でなにかあった
くらいのことは気づいただろう。
ふたりに知られることは想定内・・・もし、僕たちが付き合うことになったら
ちゃんと広告しなきゃいけないことだし。
でも、もう花音ちゃんと付き合うこともないだろうから、そうなったら僕は
笑屋には二度と来ることはないと思う。
「あのさ、正直に言うと僕はね、君からの申し出はめちゃ嬉しいって思って
るんだよ・・・だけどね」
「君と僕って歳がめちゃ離れ過ぎてるでしょ?・・・親子くらい離れてるよね、
世間的に見て、どうなのかなって・・・」
「世間的?・・・ってなんですか、それ?」
「うん・・・まあそれよりさ、僕が25歳の時、君はおぎゃ〜って生まれたんだよ」
「そう考えるとヤバくない?・・・ヤバいいよね」
「僕が35歳の時、君は小学生だよね・・・恋愛対象にすらならないよ」
「やっぱり無理だよ・・・付き合えないよ」
そしたら・・・
「そんな私が子供の頃の話、関係ないでしょ・・・私、成人してるんですよ」
「私のことが嫌いならともかく歳の差のせいで付き合えないって納得できません」
って、言われた。
「私は誰とでも恋愛できるんです」
「好きになった人は北村 星さんって人です」
「言いましたよね・・・北村さん、私のタイプだって!!」
たじろってしまうような彼女のアツ・・・思わず、タジタジ・・・。
おじさんは断ることしか頭になかったから、それを全面拒否されたら
説得するネタがない以上なにも言うことがない。
僕は、花音ちゃんはすこぶる真剣なんだって思った。
彼女は最初っから真剣・・・そんなこと今更思うのかよって言われそう
だけど・・・。
半信半疑で、いいかげんな気持ちで彼女に接していた僕は自分を恥じた。
彼女の率直な気持ちをちゃんと受け止めてあげないと・・・
僕は焦るあまり、そう思ったんだ。
「分かった・・・僕が悪かった・・・間違ってた・・・」
「歳の差のことに執着するあまり自分のことばかり優先して君の気持ちを
深く考えてなかった・・・ごめん・・・もう何も言わない」
「じゃ〜付き合ってくれますか?」
「うん、僕でよかったら・・・」
「じゃ、改めまして西山
お願いします」
「あ、こちらこそ・・・北村 星です、よろしく・・・花音ちゃん」
んな訳で、これで僕と花音ちゃんは、付き合うことに決定!!。
花音ちゃんは自他共に認める僕の彼女になったわけだ。
花音ちゃんに言わせると若い男よりおじさんの方が安定していて経験豊富だし
一緒にして安心なんだそうだ。
まあ、おじさんだって不安定なやついるけどな。
とくに4、50代で無職ってやつが一番がヤバい、せこい事件起こしたりするんだよ。
花音ちゃんは現在20歳の現役大学生。
立派に成人してる彼女・・・どんな恋愛したってかまわない。
たしかに、歳の差はいなめないけど交際する事になんの問題もない。
彼女はカマチョでもない・・・援交がしたい訳じゃない。
純粋に僕と恋愛がしたいんだ・・・。
ってことで、棚ぼた的に僕にめっちゃ若くて可愛い彼女ができた。
ね、捨てる神あれば拾う神ありでしょ。
これから、どのくらいの期間花音ちゃんと一緒にラブでいられるかどうか
分からないけど、花音ちゃんとのこの関係を、なによりも大切にしなきゃ
いけないと思った。
花音ちゃんを見ていると決してこの子を泣かしちゃいけないと思う僕だった。
つづく。
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