第4話

「あれって探索に行っていたミミンだよ! 手には何か持ってる。 きっとケモ神様のパーツだ!」


 やっぱりそうなの⁉️ ちょっと期待しちゃうよ! どんなパーツなんだ?


「長老!ケモ神様のパーツを見つけましたです! 見てください。 立派なパーツです」


「おぉー、良くやったミミン。 しかし、このパーツはやけに長いのぉ」


 長いパーツ? なんだ武器か⁉️ 剣みたいな武器なのか?


「どれ、ポケ爺。これが何のパーツか調べてくれんかの」


「ふむふむ。なるほど…これがこうなって…こうすると伸び縮む構造か…」


 伸び縮む構造?いったい何のパーツだ⁉️


「これは足のパーツじゃな!」


 って、足かーい! 足はすでにあるんですけど…しかも一本だけじゃん…その足のパーツどうすんの?


 「このパーツは特殊な構造をしておってな、中央の蛇腹じゃばらの部分が伸び縮みできるようになっており、どうもこの伸び縮みを利用して垂直にジャンプができるよになっておるみたいじゃ」


 ジャンプができるの? それは嬉しいけど、一本しかないから今の足と交換できないよ…。


「ねーねーポケ爺、このジャンプできる足のパーツは今の足と交換するの?」


「さすがにそれはできんわな。 だがわしに良い考えがある。 ホルン、ミミン、ケモ神様を仰向けにしてくれ」


「は~い」「はいです」


 おいおい、ポケ爺さん。 その足のパーツどこに付ける気だ。


「ここをこうやって、そして押し込む」


「ガシャン!」


「よし完成じゃ!」


 お⁉️ステータス画面が表示されたぞ。 どうせ足のパーツだから機動力が2から3へ上昇するだけだろ。


 あれ?機動力は2のままだな…それじゃどこが上昇したんだ?


 んん⁉️攻撃力が1から2に上昇してるぞ。


 ポケ爺、いったい足をどこに付けたんだ!


「ハハハハハッ、なんか変だよポケ爺。 足を右手に付けたからケモ神様が変な格好になってるよー」


「何を言っとるホルン。 これでついにケモ神様は攻撃が可能になったんじゃ」


 え⁉️オレ、攻撃できるようになったの? どうやって攻撃するの? すごく興味があるんだけど!


「注目する点はこの蛇腹じゃばらじゃ、この蛇腹じゃばらが伸び縮みする事によって押し出す攻撃が可能になったんじゃ」


「へ〜そうなんだぁ。 ねぇケモ神様、右手の足で攻撃してみてよ」


 なるほどなるほど、伸び縮みの機構を利用して押し出す攻撃ができるのか。


 どれ、試してみるか!


 んん…、これはそう簡単には動かない…まず伸び縮みするイメージが作りにくい…まずは右腕を上下に回転することから始めてみるか。


 おぉー、上下回転はイメージしやすいからこれは問題なくできるな。


 次は押し出すイメージだ。


 相撲のつっぱりのイメージか? それとも空手の正拳突きのイメージの方がいいのか?


 例えばビリヤードのキューを押し出すイメージはどうだ?


 全部ダメだ…右腕の足が全く反応しない。


 それじゃ突拍子もないがヒーローロボが自分の拳をロケットで発射するというのはどうだ?


 ん…お、おぉ……何か手応えを感じるぞ!


「ギュイーーーン」


「わぁー、ケモ神様の右手が動いたぁ! ねーねー長老、ケモ神様すごいよ!」


 …ゆっくりだが動いた。このイメージだ。


 次はもっと集中して勢いよく拳が飛ぶイメージだ……よしっ!


「ガシャン!」


「キャッ!私のスカートがっ!」


 おぉーっ、ホルンのパンツは水色と白のしまパンかぁ、…ってオレはこんなときに何を考えてんだ…。


「なんちゅう突風じゃ、こりゃケモ神様はとんでもない武器を手に入れたかもしれんぞ」


 なんだこの高揚感は、初めて自分の強さを実感できたのかもしれない。


 ……でも、攻撃力は2なんだよね…はたしてオレの攻撃は実戦で使い物になるんだろうか…。

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