ゴジラの時代〜様々なバージョンへ•ミレニアム期

“ジラ”という呼称を得たトライスター版を挟み、ゴジラが帰ってきた。


この時代の❝ゴジラシリーズ❞は❝多様性❞が特徴だろう。


細かい設定がないのが幸いして大きな枠の中で連続性を保っていた昭和シリーズ、大島から現れた二代目ゴジラを基に連続性を持った平成シリーズとは異なり、この時期はゴジラの在り方に対し、作り手のゴジラ観に基づきそれぞれのアプローチが加えられた新たなテイストの作品が並ぶ。


ストーリー的にも、ゴジラの造詣的にもバリエーションに飛んでいる。


基本、初代ゴジラは踏襲し、他の東宝特撮シリーズを含め必要な過去作は取り入れて世界観を構築しており、それぞれが独立した世界軸となっている。


また、ゴジラの造詣も、背ビレが強調されたメガギラス版、白眼を向いたGMK(『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』)版、前作で受けた胸の傷が痛々しいSOS版、頭が小さいファイナルウォーズ版と様々。


ファンの推しゴジラが分かれた期でもある。


また、いくつかの作品に関しては『とっとこハム太郎』の協力を得た時期であった。


『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』の初日、ハム太郎目当ての子供とゴジラ目当てのお父さんが目立つ客席で、白目ゴジラの迫力に泣き出す子が出る阿鼻叫喚。


数日後に見に行くと、“今回のゴジラはとても怖いです。怖がりな子は気を付けてね”というような文言がロビーに張り出されていた。


コンテンツビジネスが盛り上がり始めた時期でもあり、様々なグッズが売り出され、ファンの財布を締め付け始めた時期でもある。


手当たり次第に買いたい心を抑えてどれを買うか悩んだ。


少し頭を冷やしてから買うかどうか決めようと、いったんは売り場を離れ、後日に訪れると売り切れで、悔しい思いも何度かした。


ゴジラの着ぐるみを纏ったハム太郎=ゴジハムくんが、今だに売られていることを考えると、この時期のファンは多かったのだなと思う。


そして、『ゴジラ FINAL WARS』でシリーズの休止が発表され、ファンにとっては冬の時代が始まる。


ゴジラミレニアム 1999-2004


『ゴジラ2000 ミレニアム』

本作は、個人的には、“ゴジラ”の物語に、家族愛は必要かどうか、考える切掛になった作品。


全体的に暗く、新怪獣オルガも、なんか地味なのがもったいなかった。


『ゴジラ✕メガギラス G消滅作戦』

メガヌロン大出世した作品。


子供時代、白黒の画面の中、モゾモゾと近づいてくるメガヌロンがメチャクチャ怖く、それがただのラドンの餌ということに驚いたものだが、そのザコキャラからメインへ大出世である。


そして本作のゴジラの背ビレが美しいこと。


顔も凶暴で、私は好き。


『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』

金子修介監督登場。


千年龍王の復活場面は何回見ても陶酔してしまう。


完成版もスゴイが、初稿の氷の怪獣アンギラス、炎の怪獣バラゴン、風の怪獣バランが、護国聖獣にラインナップされ、アンギラスとパラゴンの温度差で生じた強風にバランがのり、攻撃するというバージョンも見たかった。


ってか、『ゴジラ×コング』の後半に出てきたあれって、これだよね、、、、


『ゴジラ✕メカゴジラ』

『ゴジラ✕モスラ✕メカゴジラ 東京SOS』

機龍登場!


メカゴジラというゴジラをトレースした呼称ではなく“機龍”という別存在として認識したい存在。


釈由美子(一作目)、金子昇(2作目)の存在も印象に残る。


そして、2作目の小泉博さんの登場は、オールドファンには嬉しかった。


2作目のスピード感溢れる冒頭は、素晴らしい。


『ゴジラ FINAL WARS』

いったんのシリーズ終了を宣言しただけあって、ド派手なオールスター作品だった。


ゴジラの様々な姿をコラージュしたオープニングに始まり、一戦目のマンダVS轟天から怪獣好きには楽しい楽しい。


ヘドラは可哀想だったが、カマキラス•クモンガはようやく活躍の場を与えられたのね、、、という感じ。


ジラも、この作品のおかげで、存在感を取り戻したと思う。


アップデートされたガイガンのデザインが好きだった。

(かっこいい割にお間抜けなところも)

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