第2話 知識の扉を開く

図書館の静かな雰囲気の中で、みかげはドラゴンフルーツについての本を一心不乱に読み進めていた。彼女の前に広げられた本からは、ドラゴンフルーツの育て方、その歴史、そして世界中での人気の理由が明らかになっていった。


特に興味を引いたのは、ドラゴンフルーツがいかにして沖縄に導入され、地元の農業にどのように適応していったかの話だった。気候の温暖さと高湿度がドラゴンフルーツの成長に最適であることを学び、みかげは沖縄がどうしてこの果物の理想的な栽培地となったのかを理解した。


この新しい知識に触れることで、彼女の中にある小さな種が芽吹き始めていた。ドラゴンフルーツに対する単なる興味が、次第に情熱へと変わりつつあったのだ。


本を閉じた後、みかげは自分でもドラゴンフルーツを育ててみたいと思い立った。図書館を出ると、直接園芸店へ向かい、ドラゴンフルーツの苗と育てるための土や肥料を購入した。店員にアドバイスを求めながら、必要なものを一つ一つ選び出す彼女の目は輝いていた。


家に帰るとすぐに庭の一角を整地し、ドラゴンフルーツの苗を植えた。土に苗を埋める手つきは、まるで宝物を扱うかのように慎重だった。みかげは、これから始まる育成の過程にワクワクしながら、苗に水をやった。


その晩、みかげは家族にその日の出来事を話した。家族もみかげの新しい趣味に興味を示し、彼女のドラゴンフルーツ栽培を応援することを約束した。


みかげのドラゴンフルーツに対する追求は、ただの趣味を超え、彼女自身の成長と探求の旅へと発展していく。未知への扉が開かれ、その先に何が待っているのか、彼女自身もまだ知らない。

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