第1話 魅力的な出会い

みかげはいつものように学校からの帰り道、地元の市場をぶらぶらと歩いていた。夏休みが近づいていたので、何か新しいことを始めたいと考えていたが、何をすればいいのかまだ決めかねていた。市場の色とりどりの果物や野菜の中で、ひときわ目立つ鮮やかなピンク色が彼女の目を引いた。それがドラゴンフルーツだった。


「これは何?」興味津々で露店のおばさんに尋ねると、おばさんはにこりと笑って答えた。「これはドラゴンフルーツ、美しくて不思議な味がするのよ。試してみない?」


みかげは躊躇することなくその提案を受け入れた。家に持ち帰ったドラゴンフルーツを切り開くと、中からは白い果肉と無数の小さな黒い種が現れた。初めて口にしたその味は、甘くてわずかに酸味があり、何とも言えない魅力があった。一口食べるごとに、彼女の心は新しい興奮で満たされていった。


食後、彼女の心に一つの疑問が芽生えた。「この不思議な果物はどこから来たのだろう?なぜこんなにも美しいのだろう?」この疑問が彼女をさらなる探求へと駆り立てることになる。その夜、彼女はノートパソコンを開き、ドラゴンフルーツについて調べ始めた。


インターネットでドラゴンフルーツの起源や栄養価、そして栽培方法について学んだみかげは、ますます興味を深めていった。彼女は特に、ドラゴンフルーツがどのようにして日本、特に沖縄で栽培されるようになったのかに興味を持った。


次の日、彼女は地元の図書館へ行き、農業や園芸に関する本を何冊か借りた。その中には、トロピカルフルーツの栽培に特化したものもあり、みかげはそれを手に取るとワクワクしながらページをめくった。


ドラゴンフルーツの一口がきっかけで、みかげの夏は未知への探求という新たな冒険へと変わり始めていた。彼女は知らないうちに、自分自身もまた、成長の一歩を踏み出していたのだった。

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