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1分。
1時間。
1日。
1週間。
1ヶ月。
1年。
じゅうひゃくせんまんおくちょうけいがいじょじょうこうかんせいさいごくごうがしゃあそうぎーー那由多……。
あれからどれだけ時間が経っただろうか。もう時間の流れが把握出来ていない。
全身を火炙りにされたような痛み。気が狂いそうな激痛。全身の何処に何が触れても叫びたくなるほどの苦痛に襲われた。
それも気がつけば、よく分からなくなってしまった。
痛いのが当然の事であるように慣れてしまったのだろうか。
いや、きっかけはあった。
いろいろあったがやっぱりアレだろう。
「霊幻あらたかなお塩です!これで穢れを清めましょう!」
お清めの塩というものがある。穢れを浄化する役割が込められているものだ。塩を撒いとけっていうアレだ。
本来ならば清めの塩は撒いたり盛ったりするのが一般的で、それは決して風呂のように浸かったりするものでは無い。
硫酸の溜まった池に落ちたらこんな風になるんだろうと思った。
「外側を清めたら次は内側です。穢れは全て排出しましょう。安心してください。その穢れは全て私の中に閉じ込めてしまいます。外に出してしまうのは勿体無いですからね」
そして、そこで、何度も、何度も、交わった。
全身を包み込む激痛と暴力的な快感を同時に味わって、きっと脳がショートしてしまったのだろう。
思い返してみれば、そうだ。
それ以来、感覚がイカれてしまったかのように思う。もう、痛いのも気持ちイイのもよく分からない。
◇
何不自由ない生活を送っている。
「はい。
「ありがとう那由多ちゃん!」
献身的な治療と介護。
「うふふっ。もう殆ど再生しましたねー。そろそろ包帯も必要ないかも知れませんね」
「ほんと?やったぜ!」
「これまでよく頑張りましたね正義くん。さぞ辛かったことでしょう……よく耐え切りましたね!」
「は?これぐらい余裕だったんだが?」
「凄いです!流石は正義くんですね!とっても良い子です!いっぱいいっぱいエラいエラいしてあげますよ!はいヨシヨシ!」
「ふぁ……なでなでしゅごぉ……。はぁ、はぁ、はぁ!那由多ちゃんもっと撫でてぇ!」
「まったくしょうがない子ですね!正義くんの気が済むまでいくらでもナデナデしてあげます!」
「ひゃっはー!コイツはキクぜえっ!」
抱きしめられて、豊満な胸に顔を埋める。極上の柔らかさ。ホットミルクのようなダダ甘ったるい臭いを肺いっぱいに吸い込む。
幼子をあやすようにアタマを撫でられると幸せで仕方がない。
「好き。好き好き大好き。那由多ちゃん大好き」
「そうですか。それはよかったですー」
充分に堪能して顔をあげる。
「あら?もう満足ですか?」
「お腹空いた」
「もう!正義くんったら!ご飯はさっき食べたばかりでしょう?それなのにもうお腹がすいてしまったんですか?」
「おっぱい!おっぱい食べたい!おっぱい!おっぱい!」
「ああ。そういうことですか。それは仕方ありませんね。でも、おっぱいはまだダメですよー」
「えー!なんでー!?」
「ふふふっ。それはですね……」
「なになに?」
「私が先に正義くんを食べちゃうからですっ♡」
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