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「あはっ♡」


「これイイかもっ♡」


「知ってるゥー?この国の人気ジャンルNo.1ってNTRなんだよぉ?」


「みんな、みーんな。浮気、不倫、寝取り、寝取られ……そういうのが、だぁーい好きなの。ホント、イカれたヤツらばっかりだよねー!」


「でも」


「ボクもわかっちゃったなー」


「他人から大事なモノを奪っちゃうのって……」


「最高に気持ちイイねっ♡」


「もちろんっ、これで終わりじゃないよ?」


「これからじっくりと、味わって、愉しませて貰うからねっ!」


「次はもっと気持ちイイことしよっ♡」


「じゃーねっ」


「ばいばーいっ♡」



そうして村崎はまるで煙のようにその場から立ち去った。


流石に、今日はもうこれ以上アイツと顔を合わせる事は無いと思うが……。


これならヤツは一体何を仕掛けてくるのか……気が重い。











ドサッ!



「んーーッ!んーーッ!」



…………簀巻きにされた村崎が地面に転がされた。



いやいやいやいやいや。


あっさり捕まりすぎだろ……。



村崎は何か言っているようだが、口にはしっかりと猿轡がされており何を言ってるかは分からない。


言いたいことがあるのは分かる。


俺としてもいろいろツッコミたい気持ちしかない。



「依頼の女の子、拉致してきたけど、この子で間違いなかった?」


「はい。このメスで間違いありません!流石は鈴木くんですね。仕事が早いです!依頼料の方は振り込んでおきますのでよろしくお願いします!」


「まいどありー」



村崎を捕縛し拉致してきたのは特に目立った印象の無い男子生徒だった。目立った印象は無いが、何故か、ちっちゃいボサ髪の女子を肩車していた。


え?なに?コイツ……その状態で村崎を捕まえたの?何者だ?



「んじゃ帰ろっか」


「…………」


「今日はステーキ食べたいの?オッケー!夕飯はステーキにしよっか!」


「…………」


「いいね!それじゃ、いっちゃんイイ肉買って帰るぞー!」



その男子は肩に背負った女子と会話をしてる風ではあったが、肩に乗った女子生徒は一言も喋っていなかった。あれで会話成立してるのか?よく分からない。


そうして鈴木くんと呼ばれた男子生徒は帰って行った。


マジで何者だったんだ鈴木くん……。



「もしもの為に”保険”を用意しておいて正解でした」


「今の……誰?」


「鈴木くんは鈴木くんです。それ以上でもそれ以下でもありませんよ」


「…………」



ニコリと微笑み内容をはぐらかす白井。


まあ、白井の知り合い?らしいので白井同様に常識の通じる相手では無いのだろう。少しモヤッとするがそういうことにしておこう。



「よいしょ」


「んーーッ!」



可愛らしい掛け声と共に簀巻きにされ、転がされていた村崎を肩に担ぐ白井。



「それでは私達も帰りましょうか黒田くん」


「それ……どうするんだ?」



白井に担がれた村崎を指差し問う。呻き声を上げて藻掻く村崎だが、ガッチリ白井にホールドされて逃げ出せそうには無い。



「とりあえず持って帰ります。ふざけたメスガキはしっかりと分からせて差し上げないといけませんからね」


「……………………」



ニコニコと満面の笑顔の白井だがその目は一切笑ってなどなかった。



あー、これは終わったなー……。





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