09
嫌な女の夢を見た。
現実でもあまり会いたくない奴だというのに夢の中に出てくるとは、本当にタチが悪い。
「…………」
あの女に煽られて、唆されたのが原因の一旦ではあるが、俺は、俺の意思で白井に手を出した。それは紛れもない事実で、責任転嫁をするつもりも無いし、否定もしない。
だが、
あの女が居なければ俺は踏みとどまれていたのかもしれない。
こんなことにもならなかったのかもしれない。
そう考えてもヤッてしまった事実は変わらない。覆水盆に返らず。吐き出した欲望が戻ることは無い。
目を覚ました。
カーテンの隙間から差し込む朝日に鳥のさえずりが聞こえる。それと食欲を唆るいい匂いがする。
視線をさ迷わせて流し台の方を見た。
食欲をそそるデカイ白い餅が見えた。
いや、餅じゃない。アレは……ケツだ。白井の。
朝食の準備でもしてるのだろうか、こちらを背に流し台に白井が立っていた。そして、左右にふるふると白井のケツが揺れる。凄いなアレ。ムチムチだよ。
寝ぼけてるのか?なんても一瞬思ったがそんなことは無く。白井はとても美味しそうなケツを晒していた。パンツ履いてない。
というか、裸……?
あ、いや、腰あたりに白い帯が見える。何も着てない訳では無い。全裸では無い。全裸では無いのだが、白井のうしろ姿は上から下までほぼほぼ何も隠されていない。
長い金髪は後頭部でひとつにまとめられており今はポニーテールになっている。そのポニーテールの影に見え隠れする白く滑らかな項と背中は舐め回したいほどに美しい。ぷりんっとした顔を埋めてむしゃぶりつきたくなる丸出しのケツ。むっちむちの太ももは言わずもがな確実に三ツ星レストランの人気メニューレベルの美味さであろう。
「あっ、起きましたね黒田くん。おはようございます」
「おはよう。白井さん」
「もうすぐ朝食の準備が終わりますので、少し待っていてくださいね」
振り返った白井は服……服?は着ていた(?)
背面は完全無防備をキメて丸出しな白井ではあったが、前面は(一応)隠れていた。
隠れているといっても、白井が身につけているのは薄い布切れ1枚のみに見えた。若干、透けて肌色が見えてしまっている。まさに紙装甲。そよ風でも吹けばめくれ返って、その極上の裸体を晒すのは確実。
俗に言う、裸エプロンだった。
後ろ姿で下着をつけていないのは確認済み。そして、付けているのはエプロンのみとなれば、裸エプロン以外の何物でもない。
新連載『目を覚ますとクラスメイトの聖女様が裸エプロン姿で朝飯の準備をしていたんだが?』わりとありそうな内容だな。ジャンル別週間ランキング236位とかにありそうだ。知らんけど。
「なんつー、格好してんだ……」
俺は白井のあまりにスケベな格好に思わずツッコミ(物理)を入れてしまいたくなる気持ちを抑えつつツッコミを入れた、
「格好、ですか?なにかおかしな所でもありますか?」
白井はキョトンと首を傾げ、たゆんとデカチチが弾み、ポロンとおっぱいをこぼしそうになる。
「いや、なんで裸エプロン」
「黒田くんはこういうのお好きでしょう?」
「嫌いじゃないが」
「安心してください。下着を履いたりといった野暮な真似はしていませんよ?ちゃんと布地の薄いエプロン1枚しかつけてませんよ?」
「それは確認してるが」
「まぁ、それも。昨晩、乱暴な黒田くんが私の履いていた下着もストッキングも破り捨てたあげく、ドロドロに汚されてしまったので替えがないから、という理由もありますけど」
「うっ……」
「こんなことなら替えの下着も持ってくるべきでしたね。失念していました。今後はしっかり替えの下着は持ち歩くようにしておきますね。乱暴な黒田くんは直ぐに私の下着を破ってしまいますし。変態の黒田くんはその私の下着をドロドロに汚してしまいますからね」
「ぐっ、あ、ああ、その……し、下着は、弁償する」
「いえ、必要ありません。それに黒田くんがそうしたいのならいくらでも私の下着を破り捨てて構いませんよ。黒田くんはそういう趣味があるんですよね?卑猥な欲望はちゃんと発散しないといけませんよ。私の下着ならいくら見ても、破いても、被っても、汚しても、食べてもいいですが、他の人の下着を見ては行けませんし、破ってもいけませんし、被ってもいけませんし、汚してもいけませんし、食べてもいけませんからね。いいですね?」
「わ、わかった」
食べるってなんだ……と思いながらも俺は素直に頷いた。よくよく考えてみれば普通他人の下着を好き勝手に出来る状況などまず、無い。だのに白井の下着なら好き勝手にしていいとは……これは俺にとって都合のいいことしかないのではないだろうか。
いや、流石に食べたりはしないが。
白井のパンツか……どんな味がするのだろうか。
落ち着け。布、ただの布だから。いくら白井のパンツだからといっても食べられないから。
……ゴクリ。
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