死が感染していく夢
2024.9.25
夢を見た、
どうやら、私が住む地域では、奇病が流行っているらしい。他人を殺したくて仕方なくなる病気だ。
それにかかると、まるでゾンビのように感情は抜け落ち、他人を殺すためだけに行動するようになる。
そして、罹患者に殺されてしまうと、殺された側も病気に罹患し、生きている人間を求めて街を徘徊するらしいのだ。
私は、1人の男に目をつけられた。
彼は、妹の夫。私にとっては、義理の弟。生きていた頃に見せていた優しさはなくなっていた。今や、私を殺す為だけに動いている。
実家の中を走って逃げ回る私。やがてベランダへと追いやられてしまった。
飛び降りることも考えたが、2階の高さから飛び降りたら、下手をすれば死んでしまう。そして、私もあの病気にかかり、ゾンビのように徘徊しながら、殺しを求めてしまうに違いない。
それだけは嫌だ。
私は隠れた。義弟がベランダに出てくるのに合わせて、入れ違うように家の中へと入ろうとしたのだ。
果たしてそれは、失敗した。入れ違うことはできたが、不注意にも物音を立ててしまったのだ。
走る私。追いかける義弟。家の中に、バタバタと激しい音が響く。
「何してるの?」
ちょうど、母親が帰ってきた。私は買い物袋を両手に持った母親と鉢合わせ、
私は、義弟が病気に罹っていることを説明しようとした。しかし、遅れてやってきた義弟は、まるで何事もなかったかのように、優しげな笑みを浮かべてこう言った。
「いえ、なんでもないですよ」
私は驚いた。まるで病気に罹っていない、普段の義弟のような話し方だったからだ。
「そう。ならいいけど」
母親は、私の横を通り過ぎて、リビングへと入る。そして振り返り、こう言った。
「変な病気が流行ってるから、気をつけないとね。(姪)ちゃんが罹らないように」
「……はい。気をつけます」
ぞっとした。
義弟は、姪の父親は、既にその変な病気に罹っている。移るのも時間の問題だ。
ちらりと、義弟を見る。
義弟は、私を横目で見て、ニヤリと不気味に笑っていた。
そこで目が覚めた。
内容は不気味ですけど、私は怖くなかったので、悪夢では無いですねぇ。
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