プロットを二本分作った夢

2024.4.15


 やけに疲れる夢を見た。


 夢の中、私は脚本家だった。

 大手の映画会社から、アニメ映画のプロットを作ってほしいと頼まれる。

 キャラクターのデザインは既に決まっていた。


 白髪で、厚手のマントと白いドレス、王冠を頭に乗せた女王様。


 茶髪で、縞模様のセーターとデニムパンツ、丸く赤い頬をした少年。


 彼らを主軸とした、ファンタジー映画を作りたいとのこと。

 そのお題を、私含め三人の脚本家に出した。つまりは、プロットのオーディションだ。


 まず私は、悪政を強いる女王と、彼女を討つ少年という話を考えた。どこにでもある、ありふれた勧善懲悪のヒーロー物だ。

 だが私は、これがオーディションということを思い出す。こんな在り来りなプロットでは、他の二人に負けてしまう。


 私は、一からプロットを作り直した。

 

 一人の女王と、その息子を中心とした物語だ。

 

 その国の女王は体が弱く病気をしていたため、幼い王子は、身分を隠されたまま、女王の友人宅にあずけられ、育てられる。

 女王の友人とは、城下町で暮らす平凡な主婦だ。乳母ですらない彼女に、物心ついてない幼い王子を預けたのだ。

 王子は、育ての母から愛を受け、すくすく育つ。心優しい少年になった王子は、ひょんなことから、母と慕ったその人と血が繋がらないことを知る。

 少年は城下町を冒険し、自分の出生を探ろうとするが、邪魔が入り上手くいかない……


 これは面白い話になる。私は確信していた。


 そこで目が覚めた。

 プロット完成まで、あと少しだったのに……

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