第30話 お昼を食べて地下へ
……長かった。
なんだかんだ、一時間位お店に居たようだ。
三人ともそれなりに服を持ってきて、俺に意見を聞いてきたのに実際に買ったのは輝夜とエリが一着ずつ買っただけだ。
お店を出たあとは地下に向けて一階まで降りてきたけど……少し休憩したいな。もうお昼時だし、相談してみよう。
「ねぇ、そろそろ、お昼にしない?」
「うん、そうだね。お昼ご飯食べに行こ!」
「腹ぺこ」
「イズっち何食べたい?」
「んー、そうだなぁ……」
俺は近くにあった案内板に近づき、一階にあるお店を調べる。
「この風神うどんとかどうかな? 肉ならテンタッキーとかもいいと思うけど」
「私はどっちでもいいよ」
「肉」
「あたしも肉かな」
「じゃあ、テンタッキーに行こうか」
店は決まったので、案内板に書かれた方向に向かうとお店が見えてきた。
お昼時なのでそれなりにお客さんがいる。
俺達もメニューを見ながら並んで待っていると、順番が回ってきた。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
「うーん、どうしようかな。みんな何注文するか決まった?」
「うん、私はチキンバーガーセットにするよ」
「ピリ辛マヨソースツイスターセット」
「あたしはテンタチキンセットとテリヤキツイスターかな」
「なるほどね、すみません注文なんですけど―――」
俺は三人が注文する物を言って、合わせて俺が頼む物も注文する。
俺が注文するのはチーズチキンバーガーセットとナゲット十個セットだ。
「お飲み物は何になさいますか?」
「ウーロン茶で」
「ジンジャエール」
「あたしはコーラ!」
「俺もコーラで」
「かしこまりました。お会計が―――」
店員さんに言われた金額を渡して、注文を終えたので空いてる席に移動した。
「出流君、お金」
「あぁ、いいよ。ここ数日、三人にはお世話になってるから俺に出させて。それに昨日の母さんからお金もらったし」
「んー……いいの……かなぁ?」
「恩に恩で返したのに、これじゃ恩返しが進まない」
「本当にいいのイズっち?」
「いいからいいから! さぁ、食べよう。いただきます!」
俺は会話を打ち切って、自分が注文したバーガーを食べ始めた。
うん、久しぶりに来たけど、美味しい!
「……ありがとう出流君、いただきます」
「イズ、ありがとう」
「今日はあたしの番だから帰ったら出来るだけ豪勢なやつにするね」
俺が受け取らないと分かってか、三人とも食べ始めた。
俺はナゲットを買っていたので、みんなとポテトを交換したり、お喋りしながらの食事で満足だ。
食事を終えたあとはお店を出て地下に向かった。
地下はスーパーみたいに食品を扱っているようだ。
エリが地下に行きたがっていたと思うが……何を見るのだろうか?
地下のスーパーに着くとエリは一人で歩き始めた。
俺と涼華と輝夜は後をついていくように歩いていくとエリが立ち止まった。
「……パン屋さん?」
「ん、ここのパン美味しい。いつも来たら買ってる」
「そうなんだ」
エリのことだから辛い調味料かと思ったけど、意外だ。
並べられたパンを見ると……確かにどれも美味しそうだ!
俺もおやつか夜食用にいくつか買おうと思い、トレーとトングを取った。
「へぇー、美味しそうだね!」
「あたしも買ってこ!」
涼華と輝夜もトレーとトングを取って買う気のようだ。
「エリ、おすすめはある?」
「これ」
エリが示したパンは……
「……地獄のカレーパン」
「ん、これは至高」
辛いっていうのはブレないんだな……
「さすがにそれはやめとこうかな……」
「そう……なら、これ」
「ピロシキか! それにしようかな」
「ん、辛くないけど美味しい」
「はは、そうなんだ」
俺はピロシキを取って、あとはちょっと気になったきなこボールと言うパンを取って会計に向かった。
他の3人も会計を済ませて、その場を離れる。
「とりあえず、買いたい物は買ったかな?」
「だね。これからどうする?」
輝夜が俺の顔を見ながら問いかけてくる。
「んー、俺は特に買いたい物ないから合わせるよ」
「あ、なら、近くの公園とかどう? 最近工事してたんだけど、噴水が出来たらしいんだ。それに合わせて地面とかも綺麗にしたんだって」
「へぇー、いいね。行ってみようか。涼華とエリもそれでいいかな?」
「うん、いいよ」
「ん」
場所が決まったので俺達は、大型ショッピングモールを出て、公園に向かって歩きだした。
公園は大型ショッピングモールから歩いて10分位の場所にある。
適当に4人でしゃべりながら移動しているとすぐに公園についた。
「ここ?」
「だよ。なんか綺麗に整備されてて、まさにデートスポットって感じだね!」
まだ公園の入り口にいるんだけど、入り口から見るだけでもカップルが二組ぐらい見える。
確かに綺麗に整備されておしゃれな感じだ。
そんな感想を頂きながら、俺達は公園の中に入って行く。
☆―――――☆
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不運な美少女たちを助け続けたら、いつの間にか狙われていました 黒蜘蛛 @eruruku
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