第29話 ショッピングモールで買い物

 俺達はショッピングモール内に入り、辺りを見渡した。

 休日の為、中々の人の多さだ。


「先に出流君のライト見に行こうか?」

「ん、後で地下も行きたい」

「あたしも後で服見たいな」


「了解、じゃあ、ライト、服、地下の順番で周ろうか」


 と、決まったので俺達はライトを買う為、アウトドアショップが売っているお店を目指した。

 アウトドアショップは上の方の階にあるので、道中面白そうなお店がないか、ついでに探しながら歩いているとアウトドアショップのお店に辿り着いた。

 

「へぇー、初めて来たけど、色々あるんだね?」


 涼華が店内に入り、コップを手に取っている。


「アウトドア用のコップだね。軽くて丈夫な物が多いんだよ。夏場なら銅製のコップとか熱伝導率が高いから冷たい飲み物にいいし、冬場ならチタン製だと熱伝導率が低いから熱い飲み物に最適なんだよ」


「へぇー! 季節によってコップを変えるんだ?」


「そうだね。ただ、けっこう高いからコスパを考えるとステンレス製が一番無難だけどね。他より重いけど熱いのも、冷たいのもいけるから」


「ふーん、だから選べるようにこんなにあるんだ?」


 涼華は物珍しそうに、色々とコップを見ている。


「イズっち、イズっち! ちょっとこっちきて!」


 輝夜に引っ張られ、付いていくと数人が寝泊まりできそうなテントにバーベキューコンロなどを置いておしゃれに飾られた体験ブースに連れられてきた。


「これめっちゃ良くない!? 超おしゃれ! これでキャンプしたらテンションあがるよ!」


 既にテンション上がっている輝夜に俺はクスッと笑みを浮かべながら―――


「キャンプは色々と準備できれば、すごく快適に過ごせるよ。これで夜を過ごすと雰囲気が出て、星を見ながら飲むコーヒーがまた格別なんだ」


「へぇー……いいね! めっちゃ行きたくなってきた!」


 そのまま輝夜が体験ブースで目をキラキラさせているのを眺めていると、服の袖をエリに引っ張られた。


「こっち」


 エリに言われてついて行くと、懐中電灯などのライト系の商品が置かれていた。


「おぉ、ありがとう、エリ!」


「ん、どれにする?」


 辺りを照らす為のライトだが、種類が豊富にある。

 持ち運びする物から木やテントに引っ掛けて照らす物などあるが、今回欲しいのは置いて周りを照らしたり、持ち運びができるようになっているタイプだ。

 といっても……意外と種類がある。

 値段も性能に比例してピンキリ。

 どれにするか迷っていると、またエリに袖を引っ張られた。


「これとかこれとかどう?」


 エリが指差した商品を見ると俺が求めているタイプの明かりだ。

 ひとつは他より少し重くて、かなりルーメンが高く明るい。明るさの調整もできるようだ。

 もうひとつはルーメンが少し低いが軽く持ち運びが容易なタイプだ。

 どっちにするか悩んだが、合宿でも使うけど、主な用途としてはキャンプの時に使いたいので、俺は最初のライトを買うことにした。


「これにするよ」


「ん、電池も忘れずに」


 言われてパッケージを見ると単一電池を4つも使うようだ。


「ありがとう! 単一4つも使うなら買っとかないとね」


「忘れがち」


 俺はライトと電池を持ってそのままレジへ向かった。

 会計を済ませると、3人とも俺のことを待ってくれていた。


「ごめん、お待たせ」


「うんん、待ってないよ。私もステンレスのマグカップ買ったよ!」


 涼華がお店の袋を俺に見せてくる。


「はは、そうなんだ」


「うん、けっこう高いから少しづつ買って、出流君とキャンプできるように準備するね!」


「あぁ、楽しみにしてるよ」


 さて、ライトを買ったので次は服だ。

 洋服売り場は下の階にあるので、エスカレーターで下に降りた。

 女性物が主に売っているので、俺は後ろから3人についていく形で同行する。


「ここに行こ!」


 輝夜が指差したのは若者向けのアパレルショップだった。

 輝夜について行くと服を吟味し始める。

 俺は吟味する輝夜を眺めていたが、周りを見るといつの間にかに涼華とエリもいなくなっていた。

 周りを見ると女性ばかりで、ちょっとだけ居心地が悪い……


「イズっち! こっちとこっちどっちがいいと思う?」


 輝夜に呼ばれて振り向くと、二つのトップスを持っていた。

 ワンショルダータイプとオフショルダータイプのようだ。


「んー、どっちも輝夜に合うと思うけど……」


「じゃなくて! イズっちの好みはどっち?」


「俺の好み?」


「うん、どっち?」


「んー……こっちかな?」


 俺はオフショルだータイプの方を指差した。


「へぇー? 肩出してる方がいいんだ?」


「ほら、輝夜の肩綺麗だからさ、出すと大人っぽく見えていいんじゃないかなと思って」


「ふーん、イズっちってそんなとこ見てたんだー?」


 輝夜がニヤニヤとしながら、俺のことを見てくる。


「えっとー……ごめんね?」


「へへ、今度よく見せてあげる」


 ニコニコとした輝夜はワンショルダータイプの服を戻し、次の服を探し始めた。


「出流君!」

「イズ」


 呼びかけられ、二人の方を見ると輝夜と同じように服を持って、俺に意見を聞いてくる。

 うん、女性の服選びって大変だなぁー……


☆―――――☆

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