第28話 お出掛け


 昨日と同じ様にして今日も起きた。

 涼華と輝夜に抱きつかれたいたので、ちょっとだけ腕が痛い。

 皆起きたあとは洗面所で軽く整えて、朝食の準備をする前に―――


「ほら、イズっち、薬の時間だよ。行こ?」


「うん、お願いするよ」


「じゃあ、二人ともゆっくり準備してていいからねー?」


「すぐ作るから早く戻って来てね?」

「ん」


 輝夜に引っ張られて部屋に戻ると―――


「んでー? 昨夜はどうやって涼華に薬塗ってもらったの」


「あー……俺がベッドで横になって、その上に涼華が乗ってきて……」


「ふーん……じゃあイズっち、ベッドに横になって?」


「う、うん」


 輝夜に言われて、俺が横に寝ると輝夜も俺の横に寝転がってきた。


「イズっち、腕枕」


「うん? 薬を塗るんじゃないの?」


「いいから」


 輝夜に言われて腕枕をすると、輝夜はそのまま俺に抱きついてくる。


「はい、そのまま抱きしめて」


 理由もわからず言われた通りに輝夜を優しく抱きしめた。

 輝夜の長い金色の髪が鼻のすぐ近くにあり、いい匂いが鼻孔をくすぐる。


「へへ、抱きしめて寝ることが多いけど、抱きしめられながら寝るのもいいね」


「今起きたばっかりだよ」


「そうなんだけどさ、これよく眠れそうなんだもん」


 そう言いながら、輝夜は俺の胸に顔を埋め匂いを嗅ぎ始めた。


「スーハー、スーハー……これヤバいね……」


「えぇ、ごめん、臭かったかな?」


「そうじゃないよ。すっごくいい匂いする」


 輝夜は俺の発言を訂正するように、俺の胸に顔を擦り付け始めた。


「はは、変な匂いじゃなくて良かったよ」


「……イズっちさ、たまにでいいから、こうやって寝てくれない?」


「はは、また輝夜が泊まりにきた時にね」


「へへ……言質取ったから」


 それだけ言うと輝夜は起き上がって、薬を塗ってくれた。

 薬を塗り終わり、輝夜と一緒にリビングに向かうと、既に朝食の用意がされていた。


「ごめん、お待たせ」


「うんん、大丈夫だよ。どうせ輝夜ちゃんが余計なことしてたんでしょ?」


「よく言うよ。涼華もやってたくせに」


「ご飯冷める」


 エリの一言に皆イソイソと席に着き―――


「「「いただきます!」」」


「ます」


 エリと涼華が準備してくれた朝食を美味しく頂きつつ、今日の予定を話ておかなければならないと考えてたところ、涼華が話題にしてくれた。


「出流君、今日はお出掛けするんだよね?」


「うん、ライト買わないといけないから」


「じゃあ、ショッピングモール行かないとだね」


「大型ショッピングモールの中に、キャンピングショップのお店があったと思うから、そこで買おうと思うんだ」


「そんな本格的なの買うの?」


「うん、何かとあると便利だし、キャンプ行ったりした時にも使うからね」


「へぇー! 出流君キャンプ行くんだ?」


「年に何回かだけどね。父さんと母さんが連休で、僕と休みが合う時にね」


「そうなんだ! キャンプって楽しそうだよねー」


「はは、大自然の中だから、着いて準備するのは大変だけど、そのあとはすごく癒やされるよ」


「いいなー。私行ったことないから、羨ましいかも」


「今度皆でに行こうって言いたいところだけど、道具運ぶなら車が必要だから気軽には行けないんだよね」


「あれ? グランピングキャンプとかあるんじゃないっけ?」


 おぉ、輝夜は知ってるのか。


「よく知ってるね。場所によってはあるけど……けっこう高いよ。あれ」


「そうなんだ? いくらぐらいなの?」


「俺が行くところだと、2人で1泊2食付きで2万円とかかな」


「そんなにするんだ!」


「まぁね。探したら安いところとかあるかもしれないけど―――ん、どうしたの、エリ」


 エリが俺の袖を掴んで呼んでいる。

 エリを見るともう片方の手には携帯を持っている。


「ここ、安い」


「ん、どれどれ……おぉ、確かに! 4人で1泊1食付きで1万5千円!」


「私もたまに家族で行く」


「へぇー! そうだったのか」


「一緒に行こ?」


「そうだな。機会があれば一緒に―――」


「私も行くからね? 出流君」

「あたしも行く」


「はは、うん、皆で行こう」


 そんな会話をしながら、食事を終え、片付けてから、部屋に戻って、先に着替えさせて貰い、俺はリビングで待った。


「お待たせ、出流君!」

「お待たせ」

「行こっかイズっち!」


 降りてきた3人はお洒落に気を使っているのか、髪飾りや帽子なんかもかぶっていて、いつもよりさらに可愛いく見える。


「三人とも可愛いね、似合ってるよ」


「ふふ、ありがとう!」

「お気に入りの帽子」

「へへ、イズっちってサラっとそういうこと言えるんだ?」


「あー、女性のお洒落には気を遣うように言われてきたからね。じゃあ行こうか」


 準備が整ったので4人で家を出て、適当にみんなでおしゃべりしながら、バス停に向かう。

 バス停でバスに乗り込み、目的地まで移動した。

 そこから歩いて大型ショッピングモールまで辿り着いた。

 どうせここまで来たなら、懐中電灯だけじゃなくて、色々見ていきたいな。


☆―――――☆

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