第21話 激闘! お願い☆爆走バイクレース!③

《SIDE 涼華》


 良くないなー。

 これ絶対良くない方向にもっていかれるよ。

 全員に罰ゲームとか何する気かな?


「へへ、じゃあ罰ゲームね! どうしようかなー?」


 うんうん唸ってるけど……満面の笑みってことはもう決まってるんじゃないかな?


「あっ! そうだ! イズっちさ、昨日涼華に背中を流してもらったんだよね?」


「う、うん、そうだよ」


「なら今日は、あたしが背中流してあげる!」


「え、えぇ?」


「今日はあたしと入るの! それで、周防さんと涼華は一緒にお風呂に入って、周防さんは涼華の、涼華は周防さんの背中流してあげて?」


「ん、わかった」

「……うん」


 はぁ……その為の全員で罰ゲームかぁー……

 周防さんと一緒に入れって……邪魔はさせないってことかな?

 でも―――甘いよ? 輝夜ちゃん♪ ふふふふふ……


 ちゃーんと二人で入るからね♪


◆―――――――――◆

《SIDE 出流》


 なんか、罰ゲームなのかよくわからない内容ばっかりだな。

 平和でいいけど!

 そろそろ俺も勝ちたいところだけど……意外とみんなうまいなぁ。

 俺は次のレース場に、街中を選択した。

 街中は歩道から色んな人が応援している。

 コースとしては、道路では他の車が走っている為、かなり難易度が高いコースだ。


「次はこの街中ってコースにするね。けっこう難しいコースだから楽しめると思うよ!」


「そうなんだ! ふふ、楽しみだね」

「次は勝つ」

「今回も勝つから!」


『ー♪ー♪ー♪ーーー♪』


 今回は全員がスタートダッシュに成功し、団子状態でコースを進む。

 バイク同士がぶつかり合うが、みんな走る車を避けてコースを進んでいく。

 俺は先にアイテムを拾い、この団子状態から抜け出すため、さっさと使用した。


「ん? なんか応援してる人が急に柄が悪く……あぁ!? なんか物投げてくる!」

「……スベった」

「あたしのバイクに物がガンガン当たって、速度が落ちていく!?」


「はは! 俺は先にいくねー!」


 これで団子状態から抜け出した。

 俺はコースは進み今度は逆走コース。

 対面から車が来るが、俺は難なく避けていく。

 このまま一位を維持してゴールに―――えっ?

 

「出流君が一位はダメだよ?」

「そこまで」

「バイバイ、イズっち!」


 俺の横を3台のスポーツカーが抜き去って行った。


「ずるっ!?」


 いきなり最下位になった……

 ま、まだだ! 舞える!

 俺はアイテムでの逆転にかけ、アイテムを拾い使用した。

 そして、俺のバイクもスポーツカーになった!


「いっけー!」


 離されていた差がみるみる縮まっていく。

 あと一押し、もう一押し何か欲しいが……

 

「出流君はダーメ♪」


 涼華が道路にスベるオイルを撒いたことにより、俺のスポーツカーは滑って壁に激突した。


「あぁーーーーー!」


 こ、これはまた最下位か……

 俺を置き去りにして、涼華とエリと輝夜のデットヒートは続く。


◆―――――――――◆

《SIDE 輝夜》


 イズっちは涼華が沈めてくれた。

 アイテムを使って―――ってことは今アイテム持ってないんじゃない?

 ……チャンス!

 あたしは、ここでお馴染みのアイテムを使った。


「あっ、出た! また輝夜ちゃんと同じ格好の人たちが私のバイク叩いてくる!」

「……邪魔」


 涼華と周防さんのバイクを足止めして、あたしのバイクは火を吹いて加速した。

 そして―――ゴールが見えてきた!

 これであたしが一位―――


「そこまで」


 あたしのバイクは三輪車に変わった。


「あぁぁぁ!?」


 あたしのキャラが頑張って三輪車を漕いでいるけど、遅すぎる!

 ゴールが目の前なのに!


「ふふ、じゃあね」


 あたしを周防さんが抜いていってしまった……

 そのまま涼華にも抜かれて、せっかくイズっちが四位なのに、あたしは三位になってしまった。

 そして一位は―――


「私の勝ち」


 周防さんだ。まぁ、涼華よりはマシかな?


「あはは……また俺が四位だ」


「ん……罰ゲーム」


「あぁ、どうしたらいいかな?」


「……んー」


 周防さんは特に考えてなかったみたい、眉間に皺を寄せて腕を組んで悩んでる。


「ん、じゃあ晩御飯、私のやつも少し食べてみて?」


「ん? エリが食べる辛めのやつか?」


「そう。私が食べるやつは大丈夫か、知りたい」


「わかった。エリのやつを少し食べるよ」


「ん、食べさせてあげる」


 ……ん?

 いやいやいや、気のせいだよね?

 食べさせてあげるって、普通に少しあげるだけだよね?

 あーんとかじゃないよね?


「はは、楽しみにしてるよ」


 ……なんで楽しみなのかな?

 こっちはヤキモキしてるのに……

 あ、でも、流れであたしもあーんとか出来ないかな……?

 それならありかな?

 周防さんも油断ならないなー……


◆―――――――――◆

《SIDE 出流》


 そろそろ疲れてきたな。


「ねぇ、そろそろ休憩しない?」


「うん、私も少し疲れちゃったから休みたいかも」

「ん、漫画読む」

「んー! あたしもちょい休憩!」


 涼華、エリ、輝夜も同意してくれたので、そこからまったりタイムになった。

 俺は疲れたのでベッドにドサッと寝っ転がり、瞼を閉じて伸びをする。

 いつもだったらこのまま仮眠してしてしまうが、さすがにお客様がいるので仮眠するのは失礼だろう。

 俺は携帯を取り出し、ネットサーフィンを始めるが、俺の横にドサッと音を立てて、寝転がって来る者がいた。


「へへ、イズっち一回も一位になれなかったね」


「あはは、うん、残念だった」


「イズっちはどんな罰ゲームさせたかったの?」


「んー、考えてはなかったなー」


「ふふ、出流君は優しいもんね」


 そう言いながら、涼華も反対側に寝転がってきた。


「直ぐに思いつかないだけだよ。あぁ、罰ゲームでお風呂掃除とかお願いしたらよかったかも」


「私がやるよ。昨日使わせてもらったし」


「なら、俺もやるから手伝ってもらおうかな」


「あたしも手伝うからね? あたしも入ったし」


「なら、私も今日入るから手伝う」


 エリも、ベッドに腰掛けそう提案してきてくれた。


「……なら、みんなでやろうか。そして晩御飯の準備をしよう」


☆―――――☆

☆800突破しました! ☆をつけて頂き、ありがとうございます!


そして、とうとうストック尽きた\(^o^)/

なんとか7月いっぱいは今のペースを維持したい……

ただ2500文字を意識してたけど、短くなるかもしれません……オニイサンユルシテ


もしよければ、応援、フォロー、星をよろしくお願い致します。

特に創作意欲に繋がるので星を何卒……!

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