第20話 激闘! お願い☆爆走バイクレース!②
次に選択したのはレースサーキット。
観客席には……どう見てもガラの悪い人たちが集まっている。
舗装された道で山道と違ってカーブが少ない変わりに障害物が設置されている。
『ー♪ー♪ー♪ーーー♪』
今回は全員がスタートダッシュに成功……かと思えば―――
「ずるい」
エリだけスタートダッシュに失敗してしまったようだ。
「ふふふ、逃さないよ。輝夜ちゃん」
「今回は……勝たせてもらうから!」
現在、一位と二位を涼華と輝夜が熾烈なデットヒートを繰り広げている。
だけど―――
「そろそろ混ぜてもらおうかな」
俺はアイテムを拾ったので、アイテムを使って前にいる二人を攻撃した。
「ん? MAPで何か後ろから……け、警察!?」
「お、お巡りさん? なんで?」
警察の車は涼華と輝夜のバイクを止めさせて、乗っていた人に厳重注意をしている。
「ちょ! 止められたんだけど!?」
「えぇ!? 拘束ながいよ!?」
「お先にー!」
俺は注意を受けている二人の横を通り過ぎていく。
「ちょっと! 目の前で今爆走してったよ!?」
「お巡りさんあの人も捕まえてよ!」
そして注意が終わり、警察が去っていったので、二人も動き出すが―――
「追いついた。そして、さようなら」
走り出した涼華と輝夜の横をエリが追い抜いていく。
「「あぁぁぁ!?」」
俺は順調にコースを周回し、アイテムを拾い、後続を妨害する為アイテムをばら撒く。
「ん、トゲトゲ邪魔」
そう、俺は撒菱を撒いていたが、エリは華麗に避けていく。
そして―――
「イズ、覚悟」
「えっ?」
俺のバイクは……後ろから飛んできた物が当たり、爆発した。
あ、RPG……
「ちょー!?」
「お先」
爆発した俺のバイクを抜き去り、エリが抜いていった。
「ちょ! まず「待て待てー!」「最下位は出流君ね!」あー!」
俺は二人にも抜かれて最下位まで落ちた。
◆―――――――――◆
《SIDE 輝夜》
よし! イズっちが最下位まで落ちた!
あとはあたしが一位を取れば!!
あたしは道中でアイテムを拾い、そのアイテムに運命を託す。
よくわからないアイコンが表示され、あたしは問答無用でそのアイテムを使用した。
「!? 何、これ?」
周防さんのバイクは幼稚園児が乗る三輪車に変わっていた。
周防さんのキャラが必死に三輪車を漕ぎている姿に笑いが込み上げてくる。
「あははは! 三輪車なら抜かせるね!」
あたしは周防さんを抜いて、ゴールの目前まで来ていた。
これで―――イズっちとお風呂!!
でも、あたしの願いが成就することはなかった。
あたしの横を猛スピードでスポーツカーが抜き去り、ゴールしていったからだ。
「勝ったー!」
りょ……りょうかああああああああああああああああ!
あたしは2位、3位は周防さん、そして4位は……
「あはは……俺が4位だね」
イズっちが4位に……最悪だ。
1位が涼華で4位がイズっちとか、絶対良くない罰ゲームになる。
「んー、どうしようかなー? 4位が出流君だからなー」
涼華は悩んでいるように言ってるけど、顔がニコニコしている。
完全に悪いこと企んでる顔じゃん。
「……そういえば、今日は周防さんも泊まるんだよね? 予備のお布団まだあるの?」
「いや、もう予備の布団はないから、さすがに昨日みたいに寝るのは無理だし、ベッドに寝るか……俺だけ別の部屋で寝ようかと思ってるよ」
「そっかー。それは良くないね。うん、良くないよ。出流君の家なのに出流君だけ仲間外れみたいなのは絶対ダメだと思うんだよね」
「そ、そうかな?」
「うん、絶対そうだよ。でもお布団ないんじゃ仕方ない。仕方ないんだよ!」
「ん? うん?」
「お布団は周防さんと輝夜ちゃんに譲るよ。出流君はベッドで寝てね!」
「涼華はどうするんだ?」
「私もベッドで寝るよ。それが罰ゲーム♪」
「えっ?」
「……いいな」
イズっちは驚き、周防さんは羨ましがっている。
「……はっ? はっ? はぁ!?」
そんな独占許されると思ってんの!?
いや、でも、ここで邪魔すると、あたしのお風呂作戦も邪魔される可能性が……
ぐぬぬぬぬ!
「え、えーっと……い、いいのかな?」
「うん! 私が出した罰ゲームだよ? 今日も一緒に寝ようね♪」
「う、うん、わかったよ」
……まぁ、いいか。イズっちのベッドは普通のシングルっぽいから、きっとくっついて寝るんでしょ?
なら問題ないかな……別にあたしは罰ゲームの対象じゃないし……へへ!
でも、後々のことを考えてもう一手打っとこうかな?
◆―――――――――◆
《SIDE 出流》
今日は涼華とベッドで寝るのか……シングルベッドだけど大丈夫かな?
さすがに狭いから寝づらいと思うんだけど……出来るだけ端っこに寝るようにしよう。
そして、次のコースを選択する。
次のコースは……ただ真っ直ぐ走り抜くだけのコース!
如何に障害物を避けるかが鬼門だ。
「あのさ、提案があるんだけど」
輝夜がコースを選択した段階で提案をしてきたので、俺は聞いてみた。
「どんな?」
「このコースだけでいいから、1位になった人は、みんなに罰ゲームできるようにしない?」
全員にか……
「ふーん? 私はいいよ」
「ん、かまわない」
「……なら、このコースだけそうしようか」
涼華とエリが許可したので、俺も許可する。
そして、いよいよ、次のレースがスタートする。
『ー♪ー♪ー♪ーーー♪』
俺と涼華とエリはスタートダッシュに成功し、前を走っていく。
輝夜はスタートダッシュに失敗して、後ろから付いてくる形になった。
そのまま、障害物を避けながらアイテムを拾い、三人で激闘を繰り広げる。
カーブがなく、障害物があるだけなので、バイクとバイクがよくぶつかり合い、火花が散る。
「次も一着!」
「ん、あげない」
「俺も一位に!」
三人が激闘を繰り広げる中、後ろからの攻撃がきた。
「あっ! さっきの輝夜ちゃんの仲間達だ! また私のバイク叩いてる!」
「邪魔」
「地味にきついんだよね。これ」
俺たちが襲われる中、輝夜のバイクは火を吹き、速度を上げ、俺達を追い抜いた。
さらに―――
「おまけだよ!」
俺達が進む前にはすべるオイルが撒かれた。
しかも、障害物がない反対側の絶対に通るところに撒いていく徹底ぶりだ。
「あぁ! ずるいそれ!」
「卑怯者」
「これは……負けたかな?」
そして、案の定そのまま輝夜がゴールして一位になった。
☆―――――☆
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