第19話 激闘! お願い☆爆走バイクレース!①


 リビングでテーブルを挟んでテレビにレースゲームの画面が映し出された。


『俺が―――総長になるんだぁぁぁ!!!』


 タイトルコールが鳴り響き、スタート画面になった。


「何これ? 暴走族のレースゲームなの?」


 輝夜が変な顔でテレビの画面を見ている。


「うん、暴走族がバイクでレースをして総長を目指すゲームなんだけど、友人に教えてもらって、意外とギミックがあって面白かったから買ったんだ」


「へぇー? まぁ、いいや。早くやろ!」


 俺はコントローラーで操作して、4人プレイを選び、キャラクター選択画面になった。


「この中から好きなキャラクターを選んで。キャラクターによって性能が違うってことはないから、好きなの選んで大丈夫だよ」


「これにする」


 エリは強面の体格の大きな男を選択した。


「んー、この子にしようかな」


 涼華は、ゴシックロリータ服を着たツインテールに眼帯の全体的にピンク色の女キャラを選択。


「あたしはこれ!」


 輝夜は金髪のまさにヤンキーといった感じの女の子を選択した。


「じゃあ、俺はこいつにしようかな」


 俺は無難に主人公の黒髪のリーゼント頭の男を選んだ。


 全員がキャラクターを選択したので、コースを選択肢した。

 コースはオーソドックスな山道を周回するコースだ。

 画面が4分割され、それぞれのキャラクターがスタート地点に出揃った。 

 いよいよ、罰ゲームありのレースがスタートする!


『ー♪ー♪ー♪ーーー♪』


「いっけー!」


 輝夜がまさかのスタートダッシュに成功し、前を進んでいく。


「え、えぇ? 輝夜ちゃんの何か早くない?」

「ずる」


「今のはスタートダッシュだよ。さっきのレース開始の合図でタイミングよくアクセルを入れると、あんな感じにスタートダッシュ出来るんだ。輝夜知ってたの?」


「このゲームのことは知らないけど、他のレースゲームはそんな感じだったから、同じ様にやってみただけ!」


 まぁ、スタートダッシュなんて他のレースゲームでもあるからな。

 輝夜はどんどん先に進んで行くが、俺達も負けてはいられない。

 

「何かアイテムみたいなの拾ったけど、これどうやって使うの?」


「あぁ、Xボタンで使えるよ」


「ふーん? えいっ」


 涼華は拾ったアイテムを使い、その被害者となったのは―――


「ちょ! なんか周りに野次馬がいて、めちゃくちゃあたしに物投げてくるんだけど!? うわぁ! バナナ踏んでバイクがコケた!」


「ふふ、輝夜ちゃんが見えてきたよ」


「やばっ! 早く行かないと―――えっ?」

「え、えぇ? バイクのゲームじゃなかったの?」

 

 涼華と輝夜の二人をスポーツカーが抜き去っていく。


「ん……なんかバイクが変形して何故かスポーツカーになった」


 エリもアイテムを拾って使ったようだ。


「いやいやいや! バイクのレースでスポーツカーはダメでしょ!?」

「せっかく一位になれたと思ったのに……あぁ!?」


「お先にー!」


 俺も拾ったアイテムを使って一気にバイクが加速して、涼華と輝夜を追い抜いていく。


「あたしもアイテム欲しい!」

「私もその早くなるの欲しい!」


 涼華と輝夜も急いで追いつこうとバイクを走らせている。


「あっ! アイテム見つけた! 何か起これ!」


 輝夜もアイテムを手に入れ、使用すると―――


「えっ? なんか私のバイクの周りに輝夜ちゃんと似た格好の人が囲んで……えぇ!? 私のバイクをバットで攻撃し始めたんだけど!?」

「ん……こっちもやってきた」

「こ、これはまずい……」


「わっ!? あたしのバイクなんか火が出てすごい速度出てる!」


 輝夜のバイクは速度を上げ、涼華と俺を抜いていく……そのまま、ゴールするかと思ったが……


「ゴール。勝者は私」


 エリが先にゴールした。


「くぅー! 2位かー、やっぱさっきのスポーツカーはズルでしょ!」


「あはは、あれけっこう早いからね。俺もゴールっと」


「うぅぅ……私が4位」


 アイテムに恵まれず、涼華が4位に……ということは―――


「叶、罰ゲーム」


「はい……何すればいいのかな?」


「ん……昨日イズの家に泊まって、イズと何をしたか全部話して」


「……えっ?」


「昨日イズとやったこと最初から話して? 面白そうだったら私もしたいから」


 昨日やったこと……昨日は涼華が泊まることになって……そのあとは……


「えっとー……お家に泊まることになってー……出流君のお部屋で寝る話をして……洗濯機の使い方を聞いて……出流君がお風呂に入ったから、背中を流してあげて、それから「ちょい待った」……何かな?」


 涼華がしゃべっている途中で、輝夜が待ったをかけた。


「背中を流してあげてって何?」

「……そのままの意味だよ?」

「イズっちがお風呂に入ったから、背中を流してあげた……だけ?」

「そうだよ? 出流君片目が見えないから不自由してるだろうなと思って」

「……ふーん?」


「……そのあとは、輝夜ちゃんが来て、三人で映画を見て、一緒に寝ただけだよ」


「ん、3人で寝たの?」


「そうだよ」


「イズ、私も一緒に寝る」


「あ、あぁ、わかった」


 ……なんか、もう合宿みたいになってきたな。

 と言っても、もう予備の布団はないし……俺がベッドで寝るか。


 そして、二戦目に向けて俺は次のコースを選択した。


◆―――――――――◆

《SIDE 輝夜》


 涼華は背中を洗っただけって言ってるけど……絶対それだけじゃないよね?

 

 イズっちも目を逸らしてたし……何したんだろ? 背中以外も洗った……?


 ま、まさか、前を洗ったとかじゃないよね? それはさすがにだよね……?


 となると……そのまま一緒にお風呂に入った? そんな大胆な……でも、涼華ならやりそうだなぁ……さすがにタオルは巻いてるだろうけど……巻いてるよね?

 

 あたしもイズっちと一緒にお風呂入れないかな?


 普通に提案しても、涼華に邪魔されそうだし……

 

 このゲームであたしが一位になってイズっちを4位にして、罰ゲームっていうていでなら他の人に邪魔されずに……いけるかな?

 それしかないよね?


 なんとしてでも、あたしが一位でイズっちを4位にしないと!

 俄然やる気出てきた!


☆―――――☆

☆700突破しました! 星を付けて頂き、ありがとうございます!


もしよければ、応援、フォロー、星をよろしくお願い致します。

特に創作意欲に繋がるので星を何卒……!

コメントもお待ちしております!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る