第10話 えっ? 同じ班ってそうなるの……?
昼食を終え、昼休みが終わる時間帯になると、涼華、エリ、輝夜はそれぞれ自分の席に戻っていった。代わりに高貴と静流が戻って来る。
「出流、班決まったか?」
「う、うん。一応人数集まっちゃった」
高貴はやはりかと……小声で呟いている。
「やっぱり、涼華ちゃんと周防さんと輝夜なの?」
「そう。男俺一人なんだけど、いいのかな……?」
静流は、そうなるよねー……と呟く。
「出流、お守り買っとけよ?」
「なんかあったらすぐ言ってね?」
「なんかあること前提なの?」
「逆になんでないと思うんだよ」
「携帯は肌見放さず持っといてね」
「…………」
高貴、静流の中では何かあることは確定らしい……
真面目にNile Riverで悪霊退散お守りを買っておいたほうがいいだろうか……
そんな会話を終えると教師が教室に入ってきて、五限目の授業が始まりそのまま六限目まで特に問題なく、終わった。
そして、担任が教室に来て帰りのHRが始まる。
「よーし、まだ来週のオリエンテーション合宿の班が決まってない者はいるか? あと決まって報告に来てない班の代表者は俺の所にきてくれ」
そう言えば、代表者って誰にするんだ? そこまで決めてなかったな。
俺は、涼華、エリ、輝夜の順に席の方を見ると全員が俺の方を見ていた。
……まぁ、流れ的に俺がやるのが自然なのだろう。
俺は席を立ち、担任の所に向かった。
「おぉ、御堂。お前が班の代表者か? 誰と組むんだ?」
「えっとー……叶さんと、周防さんと、聖さんです」
「……お前以外全員女子なのか?」
「……はい」
「そ、そうか。御堂はモテるんだな?」
「モテるというかなんというか……流れで?」
「……まぁ、好きにしろと言った手前特に何も言わんが、班でバンガローに寝泊まりすることになるからな?」
「……えっ?」
「頼むから問題は起こすなよ?」
「何もしませんよ!」
「同意の上なら何も言わんから」
「それは教師としてどうなんですか?」
「同意の上なら若気の至りだろ」
「…………」
「ともかく、そのメンバーで登録しておくから。もう戻っていいぞ」
教師よ……それでいいのか……
俺は先生にそう言われ、自分の席に戻ろうとしてふと周りを見ると男子も女子も大勢が俺のことを見ている気がする……
そうだよな……流石に男1女3は異常だよな……
俺はトボトボと席に戻り、高貴に話しかけた。
「なぁ、やっぱ男俺だけの班っていうのは浮いちゃうよな?」
「……まぁ、それもあるだろうな」
「そういえば、さっき先生に言われたんだけど泊まるのバンガローだって」
「バンガローってなんだっけ? 小屋の中に何もないやつだったか?」
「じゃなかったかな? 寝泊まりは布団とかが用意されてるんだろうね」
「まぁ、野宿よりマシだろ」
「そうだな」
「えっ? もしかして班ごとにバンガローなの?」
隣から静流も参戦してきた。
「らしいよ。さっき先生がそう言ってた」
「うわぁ……男女で一緒の部屋で寝る班もあるんだ」
「まさに俺の班がそうだよ……静流の班は男子いる?」
「私の班はいないよ。女子オンリーだから夜は女子会の予定」
「へぇー、楽しそうだな」
「うん。お菓子と暇潰しの道具と明かり持ってとかないとね」
「明かりって……消灯後も女子会するつもりなんだ?」
「それもあるけど、バンガローってことは夜トイレ行くことになったら外に出ることになるじゃない? 持って行っといた方がいいと思うよ」
「あー、確かに。俺も持っていっとくとするよ」
「そうしといたほうがいいよ」
さて、担任の所に集まった人たちが席に戻り始めたので、班が決まったのだろう。
「よし、班は決まったから、月曜日遅れるなよ。それじゃ号令」
帰りの号令が終わり帰ることになった。
そして、俺の元にパタパタと寄ってくる人が一人。
「帰ろうか、出流君!」
涼華がニコニコしながら俺のもとにやってきた。
「うん、スーパーに寄るよね?」
「そうだね。スーパーに寄ってから、出流君の家に行こう!」
「イズ、明日の分も買うね」
「あたしも明後日の分買っておくよ」
エリと輝夜も来て、一緒に3日分の夕ご飯の材料を買いに行くことになった。
「じゃあな、高貴、静流」
「あぁ、また来週!」
「またね出流!」
二人に挨拶をして、教室を出ようと思い、軽く目を周辺に向けたが……
うん、視線が集まってるね……
慣れるしかないだろう……
そして俺たちは玄関に行き、靴に履き替え校門に向かい、スーパーがある方面に向かった。
「オリエンテーション楽しみだね!」
「そうだね。あー、夜は班でバンガローらしいけど、涼華は大丈夫?」
「班ごとにバンガローなんだ? 大丈夫かって夜のトイレとか? 虫多そうだもんね」
「いや、一緒に寝泊まりする中に男の俺が混じるのが、嫌じゃないかなって」
「出流君ならいいよ。むしろ、これで夜も一緒におしゃべりできるね!」
「そうだね、お菓子食べながら色々話そう。涼華と色々話してみたいから」
よかった、涼華は不快に思ってないみたいだ。
「イズと一緒にお菓子食べれる。楽しみ」
「あぁ、そうだな。俺も何か持っていくよ」
「タバスコが合うお菓子いっぱいあるから、楽しみにしてて」
「はは、わかったよ」
エリも不快には思ってなさそうかな?
タバスコ使ったお菓子か……多めに飲水持っていっといたほうがいいだろうか?
いや、辛い時に水ってダメなんだっけか…?
「じゃあ、あたしはトランプでも持っていくよ。夜遊べるように」
「あぁ、よろしく。輝夜は……嫌じゃないのか? 寝る時に男が居るのって」
「出流ならいいよ。むしろ寝る時に大丈夫か様子見れるから、こっちの方が安心」
「別に寝るときは何ともないよ?」
「寝返り打ったりした時、痛くない?」
「んー、今のところは大丈夫かな?」
「そっか、でも心配だから一緒にいるよ」
「はは、ありがとう」
輝夜も大丈夫そうだな……
むしろ、俺が女の子3人に囲まれてちゃんと寝れるだろうか……
そんなことを考えながら、俺たちは晩御飯の材料を買うために、スーパーに向かった。
☆―――――☆
ギフトを送って頂きました!
送って頂きありがとうございます! 励みになります!
☆400突破しました! ☆をくれた皆さん、ありがとうございます!
もしよければ、応援、フォロー、星をよろしくお願い致します。
特に創作意欲に繋がるので星を何卒……!
コメントもお待ちしております!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます