第29話 動物園実習レポート~第二日目~

 ※大学時代ブログへ書いたままの内容を転載します。

  お見苦しくてすみません💦


   *  *  *


 <一日の流れ>

 8:30にヒヒ山前に集合。ホースで水洗い。

 ヒヒ山の管理室(?)にて小休憩。

 シマウマのボロ掃除。寝室やら通路やらを水洗い。

 12:00からは、お昼ごはん。

 13:00から5分で飼育事務所の掃除。

 ヒヒの餌やり。

 トラとヒョウの寝室掃除と餌やり。

 シマウマの放飼場で糞掃除。

 シマウマを寝室に入れて、糞を捨てに行く。

 ヒヒ山の戸締り。

 トラとヒョウを寝室に入れて、放飼場の掃除。


 ……だった、はず!

 一回や二回で覚えられるかっての。

 う~ん、、ちょっと気分は落ち込み気味。

 私は、本気で飼育係になりたくて取った実習じゃないからねぇ。

 キツイと言えば、キツイのよ。。

 さて、今日の実習を振り返ってみましょうー!


 今日は、ヒヒ山で窓掃除を任されました。

 ヒヒ達が内側から窓についた水を舐めている姿にニヤニヤしながら窓掃除。どこを見ても動物がいるっていうのは、この実習の特典ですね。

 ホースも少しやらせてもらえたのですが、これが本当に難しい。

 重いんだよ!! 持ち方どうこう以前の問題なんだよ!!

 的とするものの位置まで水が届かないし。

 開園してからは、昨日と同様、小休憩。

 私は、来たばかりですが、担当のSさんは、もっと早くから来て仕事をしているので、休憩が必要なんですね。

 何もしてないくせに、ジュースを奢ってもらう風雅。

 ヒヒ山の中にある飼育係以外立ち入り禁止の部屋で、Sさんといろいろな話をします。

 語り癖があるのか、それとも実習生である私への配慮なのか、社会の仕組みについて朗々と語ってくださるSさん。

 今日の話題は、良い会社の要点についてなど。

 そう言えば、Sさんは私の目の前でタバコを吸いながら話をするのですが、あまり匂いが気になりませんね。

 慣れたのかな?


 この休憩、結構長いです。時間見てないから何とも言えないけど。

 その後は、シマウマのボロ掃除の予定を省いて、代わりにヒヒ山に電灯を取り付ける仕事を手伝いました。

 ナイトサファリでヒヒ山をライトアップさせるものだそうです。

 そのことについても、その前の休憩中にいろいろとお話してくださりました。飼育係は、展示のプロですからね。でも、Sさん曰く、企画や技術のプロではない。とのこと。

 他の動物園であれば、企画やら飾りなど(照明とかオブジェとか)は、業者の方にお任せするのが普通らしいのですが、〇〇動物園では、全て飼育係の人達がやります。大変なお仕事です。

 照明を設置して、シマウマ舎を簡単に水洗いした後、お昼ご飯です。


 午後は、ヒヒに餌をやらせてもらいました。

 さすがに中に入るのは危険だということで、金網の下から餌を投げ入れます。

 ヒヒたちの好きな物の順番は、卵・バナナ→サツマイモ→リンゴ→ニンジン→みかん。だそうです(たぶん)。

 好きな餌が投げ入れられるまで、金網の目の前で座って待っている数頭のヒヒ。時折、こっちに入ってきそうになるヒヒなどがいて、ちょっと怖かったです。

 どんなに可愛くても、彼らは野生。

 触ることが出来ないのはもちろんのこと、どんな動物でも危険なのです。

 ……ってか、ヒヒって犬歯がすごい牙になってて危ないのよ。

 歯を噛み合わせることによって、犬歯を下の歯で研いでいるのです。

 Sさん曰く、凶器を研いでいる生き物なんて、ヒヒくらいのものじゃないか、とのこと。怖いですね~。


 その後は、トラとヒョウの寝室を掃除したり、餌をやったりしました。

 寝室掃除は、水で流すのですが、これもいろいろとテクがいるようで。

 食べ残しの肉や排泄物の詰まった排水溝を掃除したりと、飼育係りの仕事は、綺麗なものではありません。

 一番苦労したのは、餌やりでしょうか。ってか、餌作り。

 トラは、鳥の足が嫌いなことは前回にも書きました。

 その為、その足を切るのですが、これがなかなか切れない!

 アキレス腱を切ると良いよ、というアドバイスも私の手にかかれば無意味です。汗だくになりながらも、鳥の骨と格闘。

 包丁を手にゴリゴリ切る……というよりも削っていきます。

 ここでかなりの時間をロスしてしまいました。

 鳥の足って美味しいけど、あんな苦労が……(お前だけだよ)。


 次に。今日は、スライドをPCにスキャンするのを手伝いました。


 Sさん「パソコンって、どれくらい出来るの?」


 風雅「えっと。普通……だと、思いますけど……」


 普通だよね? 私、普通だよね?? 誰か普通だと言って!!!(切)

 この作業。私一人に任せられて、Sさんはどこかへと行ってしまう。

 Sさんが戻ってきて、少し話をした後、私が終わらせた量を見て、こう言いました。


 Sさん「えっ! こんなに終わったの? 早いね!!」


 ……いやいやいや。絶対に私は普通だから(断)。


 次は、シマウマの放飼場の掃除です。

 昨日ほど私を気にしている様子ではありませんでしたが、やっぱり後をついてくる。

 可愛いんだけどね、Sさんに叱られるからね。危ないって。

 だから今日はやってやりました!

 ついてくるシマウマに向けて手のひらを向けると……

 あら不思議! ぴたりと動作を止めるではないか!

 Sさんのアドバイス通りです。まるで魔法の合図です。

 嬉しくなって、何匹かにやってみました。やっぱり止まります。

 病み付きになりそうですね(ヤメレ)。


 動物園も閉館時刻となりました。

 すると、今度は、動物達を寝室に入れてやらなくてはいけません。

 今日は、ちょっと時間があるとのことで、シマウマの数頭だけですが、寝室に入れるのをやらせてもらいました。

 Sさんのアドバイスがあったからでしょうが、意外と上手くいった方だと思う。

 彼らの固体識別は、未だ一匹も解りませんが、出来れば覚えられたら良いなぁ~と思います。暗記もの苦手なのに……。

 シマウマの放飼場で。

 プリプリのシマウマのお尻を見て可愛いなぁ~vと思ってしまった私。

 決して、決して、お尻フェチなんかじゃあないよ!!

 誰だって可愛いと思うでしょ?!(汗)


 糞掃除に思ったよりも時間がかかってしまい、予定時間をオーバーしてしまいました。

 ほんとに、お仕事邪魔してばかりですみません。。

 でも、ちょっと気になる言葉が……。


 Sさん「実習生がいると、楽で良いなぁ」


 ……え? 実は私、使われていた??(今更)


 最後は、トラとヒョウを寝室に入れて、放飼場の掃除が残っています。

 実は今日、ちょっとSさんに叱られたことで気分が落ち込んでいたのですが、この瞬間、私は救われましたね。

 寝室に入ろうとしない♀トラに名前を呼んであげて、とSさんに言われ、名前を呼んでみると、なんと私の方に近寄ってきたよ!

 その後、「入って」と言うと、まるで私の言うことが解ったみたいに中に入ってくれたんだよ!!

 次の♂トラも。私が門を上げると、すんなりと中に入ってくれた。


 Sさん「いつもは、なかなか入らないんだよ! すごいね~。才能あるんじゃない?」


 何の才能ですか(爆)。

 ……まぁ、偶然が重なったんだろうけど、そのお陰で、オーバーしていた時間を10分くらい取り戻せたのです。

 これで何とか面目が……立たないかな。

 私のメンタルは、トラに救われました。

 いやーそれが可愛いのなんのって!!

 全部の作業が終わって、好きに動物を見て良いよ、と言われた私は、寝室に入っている♀トラの元に。

 名前を呼ぶと、なんと私の足元まで前足を伸ばしてジャンプして顔を覗かせる。

 なんて可愛いんだあああ!!!!!(壊)

 私、寅年だしね。相性が良いのかも♪(関係なしっ!)


 はぁ~、今日も暑かった。※夏です。夏休み中です。

 明日は、もう一人の担当者が出勤だそうです。

 大変な仕事だけど、やるからには、最後までがんばりたいですね。

 でも、ぶっちゃけて言うと、2週間も要らないな、と思いました(爆)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る