第21話 少年野球のヤバイ話⑧
居酒屋で、私がAさんと会話をしていると、しばらくして、Yママが遅れてやって来ました。
私たちは、過去にあったEチームの諍いの話もそこそこに、子供たちの話や、今の生活の話をして盛り上がりました。とても居心地のいい時間でした。
三人で、こうしてお酒を飲み交わしながら、楽しく会話できる日がくるなんて……Eチームを退団したあの頃には、想像もできなかったことです。
Aママと個人的な対立や諍いはなかったけれど、Aチームのママたちと親しかったAママは、やはり総括を追放したCチームにいた私たちのことをあまり良くは思っていなかった筈です。
それでも、Aママは、帰り際にこう言ってくれました。
「まあ、色々あったけど……こうして話ができて良かったわ。ほんと良かった。
今度は、子供たちも一緒にご飯食べましょう」
Aジュニは、まだEチームで野球を続けています。
いじめの話は、さすがに今はないのだと思いますが、本人が続けたいと言っているので、Aママは、それを応援するだけ、と言っておられました。
N氏は、相変わらずのようですが、学年が上がったことでリーダーコーチを辞めて、監督をOBコーチが担うことで、以前のような傍若無人な振る舞いは出来なくなっているらしいです。
やっぱり、監督をパパコーチがやるのは、絶対にダメだと思います。
そして、うちの風雅ジュニアは……軟式の少年野球チームではなく、リトルリーグという硬式の野球チームに入団しました。
そこでは、前のチームよりも本気で野球をうまくなりたい、上を目指したいという子供たち、親たちが集まっているので、風雅ジュニアには、いい刺激になっています。
コーチたちの質も高く、教え方がうまい。
N氏なんて足元にも及びません💦
声を荒げて乱暴な言葉遣いで叱るようなコーチもいません。そういうコーチは、お断りしているそうです。
何より監督の方針が「野球を楽しむこと!」なので、一生懸命頑張ってエラーしたことに対しては絶対に叱られません。
「暴投してもいいから思い切り投げろ!」
「空振りしてもいいから思いっきりバットを振れ!」
と言われます。
逆に、一生懸命やらずに手を抜いたり、ファールボールでも追い掛けなければ叱られます(笑)。
周りの子供たちがみんな野球がうまいので、風雅ジュニアの「僕すごい?僕すごい?」アピールはなくなりましたꉂ🤣𐤔
上には上があるのだと学んだようです。
それでも、よきライバルにも出会えて、彼に負けまいと、毎日素振りを最低でも100回はがんばっています。
小学二年生で、ゲッツーとるんですよ?
前のチームとは雲泥の差でした。
土日祝は、全部野球です。
遠征も多くて、正直私も夫も疲れるけれど、それでも、風雅ジュニアがめいいっぱい野球を楽しんでプレイしてくれているので、これからも応援していきます!
Yジュニアは、しばらくしてから、風雅ジュニアと同じ野球チームに入団して来ました。二人がまた一緒に野球をすることが出来て、風雅はとっても嬉しいです。
あの時、退団という選択をして、本当に良かった。
先日、練習しているグラウンドの近くで、退団したEチームが試合をやっていることを知ったうちの夫とYパパは、その試合を覗きに行ったそうです。
Cチームの試合でした。
学年が上がっていたので、風雅ジュニアの同級生たちは三年生。Cチームの主力メンバーになっていました。
N氏は、Bチームに上がっていたので、その場にはいませんでした。
そこに居たのは、かつて一緒に戦った戦友のような存在であるパパコーチたちと、ママたちでした。(※C家は、既に退団しているのでおりません。)
彼らは、Eチームに残って、どうにかCチームを立て直そうと尽力されていらっしゃったようです。
その内の一人のパパコーチが、うちの夫とYパパに気付き、涙ぐんでいらっしゃったそうです。退団した後も気にかけて応援に駆けつけてくれたのが嬉しかったのだとか。
その試合、Cチームは、勝ちました。
N氏の怒鳴り声は、ありません。
彼らがこれからもずっと野球を続けていき、Eチームを立派に引っ張っていってくれることでしょう。
軟式と硬式。
この先、交わることはないけれど、陰ながら彼らの活躍を応援しています。
そして、最後にちょっとだけ息子自慢(笑)。
今年、三年生になった風雅ジュニア。
球速は、85キロ!
先日、チーム内での練習試合でピッチャーをやらせてもらい、五年生のエースくんを三振でアウトをとりました。
他チームとの練習試合でも、三者三振を見事にやってのけ、これからもますます息子の成長が楽しみな風雅なのでした。
(*´∀`*)♡ ←親ばかですみませんww
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「少年野球のヤバイ話」完
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